デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

こんな死体はありえない。 ジェーン・ドウの解剖

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Everybody has a secret.
Some just hide them better than others.
(誰にでも秘密がある。隠すのが巧い奴もいる)

Some people are better at finding them.
(見つけるのが巧い奴もね)
 
死体に死因を語らせる。ベテラン検死官とその息子。

運び込まれたのは傷ひとつない全裸の女性死体。身元不明のコードナンバー“ジェーン・ドウ”。

一晩で片付くはずの解剖でした…。
 
ジェーン・ドウの解剖
2016年/アンドレ・ウーヴレダル監督)
 
外部からの侵入形跡のない屋内で起きた大量虐殺事件。

その家の地下にはもうひとつの死体が。上階の死体とも住人とも関係が無い身元不明、死因不明の全裸美女。

死体はベテラン検死官トミーと息子のオースティンのもとへ。


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この親子、景気のいい曲を掛けながらノリノリで検死作業をしている一種の死体フェチ(仕事でなければ完全に変態)。
 
息子のオースチンは代々続く検死稼業に嫌気がさして町を出ようとしていますが、親子の掛け合いから、仕事にも父親にも敬意を払っていることが分かります。
 
いつものようにいつもの手順。目視。外傷ゼロなのに両手首・両足首が砕けている。舌がない(切り取られている)。
 
メスを入れれば出るはずのない血がダバダバ。肺は焼かれ、内蔵だけ切り刻まれたような刃物傷が。


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ありえない。こんな死体はありえない。
 
最初、医療ミステリーなのかと思いましたが、解剖の過程で力任せにホラーにシフト。
 
セイラムの地名が出てくるに及んでオカルト色満開。
 
ジェーン・ドウの正体は…。
 
死体安置所の一夜という地味ぃなシチュエーションと低予算を逆手に取ったモダンホラーの秀作です(予算は全部内蔵製作費に消えたんじゃないでしょうか)。
 
死体に加えられた行為の説明(謎解きに相当する部分)がひどくおざなりで(ここで結構な人が置いてきぼりを喰らうと思います)、いまひとつ腹落ちが悪いのが難ですが、十分に楽しめる出来にはなっています。
     


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