「ヒドゥン」に先んじる事3年、「チャイルド・プレイ」に先んじる事4年、(ここに並べるのはちょっとアレですが)「ジェンソンの命日」に先んじる事9年。
実は転生モノの嚆矢なんじゃないでしょうか?
「ニンジャ」(1984年/サム・ファーステンバーグ監督)
原題は「NINJA III: THEDOMINATION」。「燃えよNINJA」「ニンジャII・修羅ノ章」に次ぐニンジャ・シリーズ第3弾です。
主演はご存知ショー・コスギ…なのですが、出番少なく印象薄く(刀の鍔で作った眼帯が目立ちますが、中二病チックで何か痛々しい)。
実質主役は敵方ブラック・ニンジャを演じたデヴッド・チャン。
冒頭、ゴルフ場での要人暗殺シーンから飛ばしまくり。
忍者装束で白昼堂々正面切った直接攻撃という時点で暗殺ではありませんが、誰がターゲットなのかも明示されないまま、“とりあえず全員殺しときゃ間違いないだろ”な暴れっぷり。
明らかに無関係なお姉ちゃんとかも迷わず斬り殺す辺り、実に好感が持てます。
当然、警官がわらわらとやってきますが、冷静沈着に返り討ち。特にリボルバーの銃身に吹き矢を叩き込んで暴発させるテクニックはなかなか。
応援に来たヘリを墜落させ、水遁の術で逃げ、全身蜂の巣にされながら火遁の術で逃げるという「お、お前本当に人間か?」な大活躍。
とは言え、流石に全身被弾はこたえたようで(常人なら10回は死んでいると思いますが)、遂に荒野で力尽き…ません。
何とそばに居た電話線修理のお姉ちゃんに憑依(なんですとお?!)。
に、忍者って他人に乗り移ることができるのか?
100%意識を乗っ取るのではなく、必要なときだけ覚醒して、自分を蜂の巣にした警官隊に律儀に手厚いお礼参り。
で、このお姉ちゃん(ルシンダ・ディッキー)が前年公開された「フラッシュダンス」の影響をモロに喰らった80’s。
ニンジャになる時は悪魔憑きリーガンな顔になるので「エクソシスト」な佇まいも。
もはやニンジャである必然性など鐚一文ありませんが、面白いから無問題。
で、このブラック・ニンジャを調伏・成敗するために日本からやって来たホワイト・ニンジャがショー・コスギ。
最終決戦が微妙に盛り上がらないのが難といえば難ですが、はっちゃけニンジャ映画として記憶に留める価値は十分にあります。