デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

4対200のファンタジー。 ローン・サバイバー

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『何で奴らこんなに早く追いついて来たんだ?

 いくらなんでも早すぎるだろうが!』

 How'd they get us so fast?

 I just don't understand how fucking fast they were, man.

 

伝令に走った若者が『お前はハットリくんかよ!』ってな速さで岩石スローブ駆け下りていきましたからね。訓練された兵士ならマッハクライミングも可能でしょう。


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スプリンターな動きを見せる山羊使いの若者。
 

ローン・サバイバー
2013年/ピーター・バーグ監督)

 

個人貸付を踏み倒して逃げる話ではありません。

2005
年、アフガニスタン、クナル州の山岳地帯において米海軍特殊部隊Navy SEALsネイビーシールズ)が、タリバン幹部2名を暗殺しようとして大失敗、19名もの戦死者を出した“レッド・ウィング作戦”を、ただ一人の生還者・マーカス・ラトレル一等兵曹(劇中ではマーク・ウォールバ―グ)の手記に基づいて映画化した実話モノ

 

まあ実態はシールズのプロパガンダ映画な訳ですが、映画の正義は“面白さ”にあるので、あちこち脚色していようが水増ししていようが、極論嘘であろうが別に構いません。

 

プロパガンダらしく、かっちょいいシールズを演出してくれていれば満足だったのですが…。


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OPからシールズの凄さをひたすら強調。
 

まずは偵察チーム4名が夜間にヘリで目的地まで2.4kmの地点に降下(←史実)。

 

…近すぎないか。何の喧騒もない山岳地帯だぞ。ヘリの音に気づかないわけないだろう(実際、気づいていたらしいが)。

 

偵察中に山羊使いと遭遇してしまい、彼らを殺すか(交戦規定違反)、解放するか(即座にタリバンの討手がかかり、4人で200人を相手にすることになる)の判断を迫られるシールズ。

 

すったもんだの挙句、解放することになるのですが、この判断はアホすぎないか。


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どう考えても順番が逆。
 

通信確保してから開放すればいいだろう。解放後、山の頂上だと思っていた地点に移動したら目の前に別の山の頂上があって結局通信確保ができないとか間抜けすぎ。

 

と言うか軍事使用目的の通信機器ってそんなに感度悪いのか?

 

で、あっという間に追いつかれて殲滅戦突入。敵も味方もバスバス被弾するのはリアル。

 

退路無き後退を強いられ、崖を滑り降りる(いや、転げ落ちる)のは弾が当たるより痛みの伝わる好シーン。


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4人が3回ずつ死んでるんじゃないかと思える滑落シーン。
 

命と引き換えに見晴らしの良い地点に出てQRF申請に成功。しかし、CH47-チヌーク(タンデム・ローター式の大型輸送用ヘリコプター)はあってもアパッチ(護衛用攻撃ヘリ)がない(別の任務に駆り出された)。


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アパッチの援護がないとどうなるのかと言うと…。
 

先行する2機がアパッチ抜きで救助に向かうもRPGの餌食。雪だるま式被害甚大。


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こうなります。
 

これ観ていると「シールズすげー!」どころが、「シールズにはアホしかいないんじゃねえか」って気がしてきちゃいます。

 
 
 

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