『この人のそばにいようと決めた』…生徒会長選挙応援演説で生徒会入りを宣言してしまった侑。3話にして綺麗に話がまとまって「良い最終回であった」な雰囲気。
次でどう話をかき混ぜてくるかしら、と思っていたらサイコな伏兵がこんにちは。
「やがて君になる/第4話・好きとキスの距離|役者じゃない」
(2018年10月26日深夜BS11放送/髙田昌豊演出)
“好きでいさせてくれれば(好きになってくれなくても)いい”とは言ったものの、相手が“まんざらでもない”態度を示したら…。
そりゃ増長しますわね。もちっと押してみようかな、とも思うでしょう。
放課後。生徒会室。二人きり。
『ねぇ侑…キスしたい』
七海先輩熱暴走。一度は叱責するものの最後には
『いいですよ。別に…しても。別に嫌なわけじゃないですし。それに興味が無いって言ったらウソだし…』
『なにそれ。好きじゃないのにキスしたいとか。侑…エロい』
『なっ…!バカ言ってるとさせませんよ!』
『待っていやだ。する…』
素晴らしすぎるやりとりです。この百合パラダイスを“観測”している視線がひとつ。
視線の主は生徒会モブキャラ槙 聖司(まきせいじ)。彼の趣味は他人の恋物語を特等席で観賞すること。
一番近くで観たい、確かそんな事言っていた奴が以前にもどこかで…。
…ジグソウだ!(笑)
もうひとつの共通点はただの観客ではないこと。演目がより面白く加速するようさりげない演出を加えていきます。
佐伯先輩を煽り、侑を客観視することで自覚を促し、お話を強引に次のステージへ。
いやあ、ただの員数合わせと思わせて、よもやの隣のサイコくん。百合における(あるいはラブコメにおける主人公以外の)男キャラは一歩間違うと“ぶち壊し”な不発弾なので、今後どの程度の絡み方をするのか気になるところではあります。
ここからのキーワードは“文化祭における生徒会演劇の復活”。
7年前から途絶えていた生徒会演劇の復活に並々ならぬ意欲を見せる七海燈子。
資料整理の際、侑が見つけた当時の演劇台本。1ページ目にはスタッフ・キャストの一覧が。出演者の一番上にある名前は…。
七海 澪。
ここで、侑が職員室で耳にした『七海が生徒会に立候補か』『早いもんですな。あいつもきっと喜んでいるでしょう』という会話、侑が何気に聞いた燈子の家族構成『3人。両親と私だけ』と選挙演説前の『友達だって多くはなくて怖がりでいつも誰かの影に隠れてた。だけどある日そのままじゃいられなくなったから』という独白が繋がりました(侑はまだ気づいていませんが)。
各人の“想い”の方向が固まってきました。