グランジ/オルタナティブのバンド名の由来、ノラ・ジョーンズのアルバム・ジャケット↑のインスパイア元など、おまけ話が先行しているラス・メイヤーの問題作(?)
「マッド・ハニー」
(1965年/ラス・メイヤー監督)
日本初公開時のタイトルは「欲情」(どっちも本編のイメージとは微妙に…)。
時代は1933年。禁酒法のど真ん中。場所はミズーリの片田舎。カリフォルニア目指してヒッチハイクしている青年カリフが偶然立ち寄った町スプーナー。
旅費を稼ぐためにとある農場で雇ってもらいますが、オーナーの老人の姪(巨乳で美人)の夫が絵に描いたような最低DV野郎。
文無しのくせに密造酒(コーン酒)でベロベロ。娼館(家族経営)に入り浸っては追い出され、憂さ晴らしにカミさん殴って家庭内レイプ。
一瞬、ラス・メイヤー版「郵便配達は二度ベルを鳴らす」かと思いましたが、かすりもせず。
悪意ある噂にたやすく扇動され、憎しみをぶつける相手さえいれば誰であっても構わないという最低な人間たちの最低な祭り。
現在のネット炎上の縮図のようでもあり、煽っているのがエセ牧師というあたり「ミスト」の原型と言えなくもありませんが、いかんせんテンポが悪い、頭が悪い。
特にDVに晒されている妻が、夫の悪行の数々を目の当たりにしていながら、尚夫を庇う姿にはもう「馬鹿じゃねーのこの女」としか(VD妻の実態を言い当てているのかもしれませんが)。