『梓川?』『居るよ』
『梓川…』『居る』
ドア1枚隔てての存在確認。一般的には深夜のトイレで交わされる会話ですが、これを浴室でやるとは新たな試み。
明るくたって不安な時は不安。怖い時は怖い。誰かにそばにいて欲しい。
「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない/第7話・青春はパラドックス|第8話・大雨の夜にすべてを流して」(2018年11月17日・24日BS11放送/増井壮一監督)
誰かに構って欲しい自分と、その為の手段(SNSにちょいエロ自撮り画像をアップ)が許せない自分。
相反する目的と手段の間に強烈なストレスを感じて二人に分離してしまった双葉理央(ドッベルゲンガーって奴ですね)。
人格の乖離ではなく、物理的にふたりの双葉が存在。片方はポニテ×コンタクト(ポニテ理央)、もう片方は従来通りのおさげ×メガネ(メガネ理央)。
メガネ理央は梓川家に居候、ポニテ理央は自宅に独り(色々あって両親不在)。今日はそばにして欲しいというポニテ理央の懇願で双葉家に泊まった梓川。
梓川咲太、双葉理央、そして国見佑真、この親友カルテッドが素晴らしい。
梓川の『双葉がピンチ』の一言で深夜にチャリかっ飛ばしてきた国見。独りじゃない。
理由も事情も訊かずに夜の浜辺で花火。
『咲太に呼び出された時は何事かと思ったけどさ…さっきの双葉の泣き顔見たら“もういいや”って』
スリーショットの記念写真を待ち受けに。しかし、それはメガネ理央にとっては死刑宣告。あっちの理央がいればこっちの理央はいらない。
失踪。大雨。今度は咲太がチャリかっ飛ばす番。
「面倒くさくない女の子なんていませんよ」(by一色いろは@俺ガイル)。確かに。
メガネ理央の行先は学校。梓川、国見と出会った1年の教室。ずぶ濡れ咲太はそのまま昏倒→病院行き。待合室で改めて双葉と対峙。
『自分のことなんて、別に嫌いでいいんだよ。僕は…まっ、こんなもんだろって思いながら生きてる』
『…さすがだね。普通だとここは“少しずつ自分を好きになっていけばいい”とか、“双葉にもいいところはいっぱいある”とか言うべきなんじゃないの?』
『そんな前向きな生き方疲れるだけだろ』
『最低だね、梓川は。だけど…何かホッとする』
ポニテ理央が交わした花火大会の約束。自分も行きたい。自分に自分の心情吐露。
乖離した人格が今ひとつに。この分離した二人がひとつに戻る演出、巧いです(合体理央はポニテ×メガネ。最強)。
次回から豊浜のどか編(「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」)のようです。12話までにあとどれだけ消化するんでしょう。
※牧之原翔子編はどうするのかと思ったら、こっちは劇場版か!