デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

そこはかとなくシャマランな香り。 ラスト・デイズ

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1年前には想像もつかなかった。こんなドラマチックな最期とはね』

 

突っ込み所は数知れず。特に後半は「いやいやそれはないだろ」「そりゃまたご都合主義な」のオンパレードなのですが、それでもデストピアは美しい。

 

「ラスト・デイズ」

2013年/ダビ&アレックス・パストール監督)

 

ある日突然、外に出られなくなる。

 

ドアが開かない訳でも見えないバリアが張られた訳でもないのに。恐怖で外に出られない。

 

所謂アゴラフォビア(広場恐怖症)。

 

最初の犠牲者はカナダの高校生。6ヶ月引き籠った挙句、拳銃自殺。ニュースを見ていたスペイン人のコメントが泣かせます。ひょっとして“HIKIKOMORI”は“KARAOKE”“HARAKIRI”同様万国共通後になっている?


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主人公マルクの勤める会社でも最初の犠牲者が。

 

ビルから出られず何日も会社に泊まりこんだ社員が、警備員に無理矢理連れ出されると発作を起こしてご臨終。


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やがて謎の疾病は地球規模で広がり、75億総引き籠り状態に。

 

全ての経済活動が止まったわけですから、エネルギーも流通も政治も治安もご破算(ここいらへん、もうちっと精緻に描写してくれると評価爆アゲだったのですが…)。

 

マルクも在社中にアゴラフォビアに罹患。が、外に出られなくても移動はできる。地下フロアに穴を穿ち、地下鉄路線に出る。目指すは妻の待つ自宅。

 

相棒はマルクのいる部署の人員整理に来た首切り人事請負人エンリケ(他人の車からガメたGPS所持。見た目マイケル・アイアンサイド風)。


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建物から出られないという足枷はSFやパニックものでよくある与件ですが、デストピアな景観と相まって結構いい感じ(手触りが「ハプニング」に近い。そこはかとなくシャマランな香り)。


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デストピアなまま終末を迎えるのではなく、その先まで描こうとしているのも好印象。

 

火の鳥・大和編」「未来惑星ザルドス」のエンディングを思わせます。

 

以下、余談。

 

移動途中、警官崩れのチンピラからエンリケが奪った銃はワルサーP99


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シルエットが好きでお気に入りの銃なのですが、スペイン警察の公式採用銃ってH&K USPじゃなかったかしら…。



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