デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

おっと予告と違うじゃないか。 ザ・リング/リバース

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2016829日に予告編を紹介した「RINGS」をようやく鑑賞。

って予告と映像が違わないか?

ザ・リング/リバース」
2017年/F・ハビエル・グティエレス監督)


オリジナル(中田秀夫版/ゴア・ヴァービンスキー版)の設定とイメージを引き継いだ「正当」な「別物」。

ラクタ市のような所で購入した“アンティーク”なビデオデッキ(SONY製)の中に残っていた「呪いのビデオ」に憑りつかれた大学教授。

 

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何と生徒をモルモットにして1週間後の回避可能性のデータを取ろうと…ってそんな話だったっけ?

予告では主人公ジュリアンの元に届いた差出人不明のeメールに添付されていた画像ファイルが…ってな話だったような。

どうやら本作、20151011月頃には完成していたようなのですが、その後塩浸けにされた挙句、20分が削除・再撮となって、設定そのものが変わってしまったようです。

結局、公開されたのは20172月。呪われてます。

 

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こういうビジュアルは結構好み。

出来は可もなく不可もなく。予定調和な展開とオチ。「呪怨」の縮小再生産と同じ轍を踏んでいますね。

ビデオデッキを売っている店でリック・ベイカーと思しき人が一瞬映ったのと、ボスキャラがヴィンセント・ドノフリオ(「フルメタル・ジャケット」の微笑デブ!)というのは拾い物だった…かも。

 

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左のロン毛のおっさん、リック・ベイカーですよね?

映画「リング」シリーズは中田版とゴア版を定本としているようですが、ここに来て原作から貞子(サマラ)のアイデンティティに関する大切な要素が削り取られてしまった事が悔やまれます。

何故、貞子(サマラ)は呪いを拡散しようとするのか。

肉体と性別の不均衡、最後の天然痘キャリアから受けた「伝染」、出産への渇望。

日米どちらも「呪いのビデオ」の映像には力が入っていますが、やはり老婆の

『うぬはだーせんよごらをあげる』


のメッセージがなくなったのは痛い。貞子本人よりも「観たら死んじゃう呪いのビデオ」というギミックだけが独り歩きしてしまいました。

次(あるのか?)やる時は、原作準拠版にしてみるのも一興かと(タイトルは「リング/リセット」で)。

 
 

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