デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

僥倖。 ゾンビ~地球SOS 死者が甦った日~【サスペリア・バージョン】

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まさか目にする機会があろうとは…。
 
僥倖。ネット社会って素敵です。
 
木曜洋画劇場 ゾンビ~地球SOS 死者が甦った日~【サスペリア・バージョン】」19801016日/東京12チャンネル放送)
 
以前、さわりだけご紹介した同作がまるっとネットに上がっておりました。ご丁寧なことに深沢哲也氏による解説もフル収録。
 
長生きはするもんです。
 
サスペリア・バージョン】と言われるだけあって、確かに音楽は全編通してサスペリア
 
とは言え、あの印象的なメインテーマが使われている訳ではなく、中心になるのは「エレナ・マルコス」「悪魔達の囁き」
 
これはこれでアリなのではないでしょうか(正直、あまり違和感がない)。
 
違和感があったのは吹き替えの方。上手い下手の話ではなく、設定が変わっちゃってます。
 
「だから二週間前、大爆発した惑星イオスの特殊光線が地球上に作用して、死者が甦りつつあるって言ってるんです!」は、まあ、いいとして(いいよね?)。
 
TV局でフラン(ゲイラン・ロス)が止めたのは不確かな(活きているのかどうかも分からない)救護センターの情報テロップだったはずですが、こっちでは番組そのものを止めちゃってます(大胆だなフラン)。
 
フランが妊娠していると分かった時、ピーターは中絶派(やり方も知っている)でしたが、こっちでは積極出産派。
 
これがラストの「赤ん坊を産む場所を探さないとな」「そうね」「…まかしときぃ!」という超訳(正しくは「燃料は?」「あまりないわ」「…まあいい」)の伏線になっていると思うと感慨深くはありますが…。
 
ピーターの名台詞『地獄が満室になると…』は異なる場面で似たような事を言う形に修正されておりました。
 
差し替えられたのはBGMだけではありません。何故かSEも差し替わっています。
 
ピーターが屋上で壁打ちしているシーン。本来ならスコーンパコーンとなる所が何故かぴょろーんぴろーん(笑)。
 
ロジャーの墓の前でシャンパンを開けるシーン。ポン!となるはずが何故かブシュ!(ゾンビをナイフで刺した時のような音)。差し替えの意図が分かりません。
 
放送コードの関係かゴアシーンはほとんどがカットもしくは寸止め(直前でストップモーション)またはトリミング。狂ったSWATウーリーの蛮行と始末もカット。


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カットされたシーンの数々。
 
放送時間の関係で「狩りを楽しむ人々」「給油所」はまるっと割愛。給油所シーンがないので、ピーターがスティーブンに嫌味を言うシーンが「4人で頑張ろう」な感じに変更されています。


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「給油所」シーンは子供ゾンビ蜂の巣、ヘリチョンパ含めて全カット。
 
あれこれ気になる箇所はありますが、全体的に巧くまとまってはいます。立派な「ゾンビ派生バージョン」と言って良いのではないかと。


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