『ここは地獄か?』
『炎も焼石もなくてがっかりしたか?
始めも終わりもない、ただ退屈な場所だ』
以前、只の遊歩道トンネルを「異世界だ!」と言い張る作品を御紹介しましたが、これもビルの地下ダクト辺りを「地獄だ!」と言い張る頑固者です。
「SAWレイザー/ネクロメンティア」
(2009年/ピアリー・テオ監督)
レンタル時のタイトルが「SAWレイザー」、DVDタイトルが「NECROMENTIAネクロメンティア」、アマゾンプライムが中をとって「レイザー ネクロメンティア」。
地獄の番人の喋り方がジグソーに似ているのと、地獄の門を開くという儀式と徘徊している異形の者がヘルレイザーっぽい所からついたタイトルだと思いますが、関連性はゼロ。
死んだ妻の死体を(いつ妻が戻って来てもいいように)保存しようとする男と、亡くした弟と会うために地獄の扉を開こうとする男と彼らを利用しようとする謎の男のお話。
「メメント」ばりに話が逆走していくので、途中訳分からず、最後にああ、なるほど、となる仕掛けになっています。
というストーリーよりも「良く分からんが気色悪い」という雰囲気を楽しむ映画です。
で、もの凄く気になったカットがひとつ。
弟(障害者)亡くした男ってのが両親も亡くしているのですが、父親と思しきお方の写真が一瞬…。
何故ここにオールド・モンティが!? しかも弟の名前がトーマス!? まさか苗字はヒューイットじゃないだろうな?
地獄の門を開く儀式の操作手順書、これ、死者の書/ネクロノミコンですよね。
起承転結を求めると「なんじゃこりゃこりゃ」になっちゃいますが、お好きな方には結構刺さるのではないかと思います。
★ご参考