2005年ルーマニアでダニエル・ペトル・コロゲアヌ司祭(29)と修道女4人が修道女見習いのマリチカ・イリーナ・コルニチさん(23)を悪魔祓いの末に殺してしまうという事件がありました。
マリチカさんは3日間、地下倉庫に食物も水も与えられず十字架に鎖で繋がれた状態で「悪魔祓い」を施されていたという事で司祭と修道女は殺人罪で起訴され有罪。
この顛末はアメリカにも伝えられ、よせばいいのに宗教に思うところのある女性ジャーナリストが事の真相を探るべくルーマニアへ。
絵に描いたような“ミイラ取りがミイラ”フラグ。
「死霊院 世界で最も呪われた事件」
(2017年/ザヴィエ・ジャン監督)
てっきり「死霊館」に引っ掛けたバッタもんかと思いましたが、製作やら脚本やらに「死霊館」のスタッフが交じっており、お話の繋がりはないものの、赤の他人という訳でもないようです。
同じルーマニアでも「死霊館のシスター」は古城メインの1点豪華主義でしたが、こちらはルーマニアの街並み、朽ちかけた教会などの景観をふんだんに取り入れ、ちょっとした建物探訪気分を味あわせてくれます。
死霊と言いつつ相手は悪魔という“看板に偽り有り”なところは大人の余裕でスルー。
サスペンス仕立てで引っ張った割にはクライマックスしょぼしょぼ、オチ予定調和といささか残念な仕上がりではありますが、歴史を感じさせる建造物と必殺蜘蛛パンツの衝撃に免じて“勝ち越し”としたいと思います。