デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

追悼:ハーディ・クリューガー/ギャスパー・ウリエル/ミートローフ

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昨年4月12日に93歳のお誕生日をお祝いしたハーディ・クリューガーが94歳の誕生日を待たずに1月19日に旅立ってしまいました。

まあ年齢を考えれば大往生ですが、やはり名優逝去は残念。

個人的代表作はやはりこれ。


他にも、不時着したサハラ砂漠から脱出するため、乗っていた双胴双発の軍用輸送機C-82パケットを分解して単発機に改造する事を提案する若き航空技師ハインリッヒ・ドーフマンを演じた「飛べ!フェニックス」が印象深いです。

「ワイルド・ギース」ではアフリカ某国でクーデター軍に捕らえられていた前大統領ジュリアス・リンパニと思想問題で激しく対立し(互いの歩み寄りも見どころのひとつ)、「飛べ!フェニックス」では機長であるフランク(ジェームズ・スチュアート)とことごとく衝突するなどお話のスパイスとして機能しておりました。

ハーディ・クリューガーが亡くなった同日、フランスでは若き才能が…。

ギャスパー・ウリエル。スキー場での使用突事故で。37歳。

仲間と合流しようとして左折してきた別のスキーヤーと衝突して頭部損傷、近くの病院に搬送されましたが還らぬ人となりました。

状況を聴く限り完全に「もらい事故」。年齢でも病気でも自身の過失・不注意でもない分、余計に悔やまれます(因みにぶつかったスキーヤーは無傷だそうです)。

代表作はやはりこれと、


第69回カンヌ映画祭グランプリとフランスのセザール賞主演男優賞そのた色々を受賞した(個人的には全く楽しめなかった)こちら。

 


で、その翌日1月20日にはミートローフが…。

74歳。現在の感覚だとやはりまだ若い。

死因は公表されておりませんが、記事に「家族に見守られて」とあるところを見ると何か御病気だったのではないかと(コロナ重症説あり)。

役者としての代表作はやはりこれと


これですね(どちらも特にミートローフには触れておりませんが…)。


ミュージシャンとしては何と言ってもこれでしょう。

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「地獄のロックライダー」(1977)


皆さまのご冥福をお祈りいたします。

 

 

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★本日1月23日はルドガー・ハウアーの誕生日(おめでとうございます!)

本日はルドガー絡みのちょっといい話を。

 

★本日のTV放送【19:30~BS日テレ/日曜ロードショー】

※放送は「魔宮の伝説」の方です。

 

【踏み込みが浅い】エンドレス・エクソシズム【肩透かし悪魔祓い選手権】

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とある事件がきっかけで酒と薬に溺れ、ボストン市警を辞める事になったメーガン(シェイ・ミッチェル)。

AA(アルコール依存症自助グループ)仲間の伝手で得た再就職先はボストン・メトロ・ホスピタル…の死体安置所…の夜間勤務。

運ばれてきた変死体を受け取り、写真を撮り、指紋を採り、データベースに照合し、問題なければ安置ロッカーへ。

これをワンオペで処理。いるのは自分と死体だけ。

ある夜運ばれてきたのは惨殺された少女。

喉やら腰やら掻っ捌かれた挙句、燃やされようとしていたようで腕には重度の火傷が。

写真を撮ろうとしたら機器不調。指紋照合は読み込みエラー。

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何なのこの子。ボストン市警の元カレに調べてもらったところ…

彼女はハンナ・グレース。3か月前、悪魔祓いに失敗して死亡しておりました。

「エンドレス・エクソシズム(2018年/ディーデリク・ヴァン・ローイェン監督)

依存症の元警官と悪魔憑き少女。出会いはモルグ。

舞台設定はなかなか興味深いのですが、踏み込みが浅すぎ。

メーガンのトラウマもハンナの悪魔憑きもまあ、そういう事がありました的記号でしかあません。

大体、エクソシズム失敗して(ハンナの死亡が確認されて)から3ヶ月、何やってたんだよ?という素朴な疑問。

安置ロッカーを出たり入ったりするハンナの行動は完全にコント。這い出たと思ったらまたもとに戻っていたりで「何それイリュージョン?」

お話の建て付けも、オカルトホラーにしたいのか、アルコール依存による幻覚を匂わせた心理サスペンスにしたいのか。

悪魔さんの蛮行も何かテキトーに暴れているだけで何がしたいのかさっぱり(特に優先順位とかないんだったら真っ先にメーガン殺すだろ)。

本作、2018年公開ですがクランクアップしたのは2016年(つまり本来ならジェーン・ドウの解剖と同い年公開)。

何でもスタジオのマネジメントが変わって新しい製作責任者があれこれ変更を求めてきたため、ポストプロに2年も掛かってしまったんだとか(映像素材だけはあったため、再撮影にならなかったのが不幸中の幸い)。

あー、あの取ってつけたような前向きなオチ(終わってみれば、オカルトでもホラーでもなく、強い女のトラウマ克服ストーリーに)はそういう路線変更があったせいなのね。

そういうものを求めていたわけではないので、景気の良い肩透かしではありました。

おまけ

メーガンが就職したボストン・メトロ・ホスピタルの撮影場所はボストン・シティ・ホール。

2020年に公開された272分に及ぶドキュメンタリー「ボストン市庁舎」の舞台です。

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行政サービスの記録映画のみならず悪魔映画のロケにも協力するとは太っ腹ですマーティン・ウォルシュ市長(当時)。

 

★ご参考:「ラ・ヨローナ」をご紹介した時に「悪魔祓い選手権」を開催しておりますが、今回はあの時の選から漏れた「肩透かし悪魔祓い選手権」を。

 



 

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★本日1月22日は本家本元リーガン・マクニールことリンダ・ブレア(1959~)の誕生日(おめでとうございます!)…ですが、彼女の誕生日は昨年お祝いしたので今年は別のお方を。

という訳で本日はダイアン・レイン(1965~)の誕生日(おめでとうございます!)

作品はこちらで。

 

【地獄の沙汰もコネ次第】アルカトラズ監獄 D棟13番房【&刑務所ホラー選手権】

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ホラーに良し、サスペンスに良し、人間ドラマに良しと実に使い勝手のいい題材「刑務所」。

ただでさえグッとくる場所なのに、今回の舞台はブランド刑務所アルカトラズ。

これは飛行機の墜落現場がただの海ではなくバミューダ・トライアングルだった、みたいなもので、それだけで緊張感2割増し。

問題はそれが面白さを担保しているわけではない、と言う事なのですが…。

「アルカトラズ監獄 D棟13番房」(2020年/スティーヴ・ローソン監督)

原題「The Haunting of Alcatraz」。またしてもHAUNT3段活用ホラー(笑)。

1942年(世界大戦真っ只中じゃねえか)、とある事情で「信頼に足る機関での在職証明」が必要になり、コネでアルカトラズ刑務所の刑務官の職を得たチャーリー・シュミット。

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配属されたのはD棟。そこは他の棟と隔絶された一種の懲罰房。

配属初日にD棟移管になった囚人は一晩で死体に。

死因は自殺。

『刑務所では囚人の自殺も刑務官の自殺もよくあること』

生真面目なチャーリーは、過去のD棟13番房入居者と島の診療所が保管している死亡記録を突き合わせますが…。

13番房に入った囚人は全員自殺しておりました。

5年前、D棟13番房で首搔っ切って自殺した囚人がいたらしいのですが…。

まあ、この囚人がそのまま地縛霊として13番房に居座り、入って来る囚人を祟り殺していたわけですが、刑務所側にとってはここに押し込むだけで勝手に死体になってくれる超便利な部屋。

手を汚さずに依頼を受けた裏切り者とか事情を知って告発しようとした内部の者を簡単処分。

まあ企業におけるセキュリティ管理ツール(「溶解ボックス」とか「大型シュレッダー」)みたいなものです。

勿論、所長も看守もただ働きはいたしません。足りない年金の積立にせっせと殺しのお手伝い。

当然、秘密を知ったチャーリーも13番房行きとなりますが…

汚職」という社会派サスペンスと「地縛霊」という呪怨派ホラーがミックスされた異色作。

もの凄~く地味ですが「生き残りの秘訣はコネ。地獄の沙汰もコネ次第」という素晴らしい教訓が得られたのは収穫でした。

ついでなので「刑務所ホラー」をいくつか挙げておきましょう。

 

 

 

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★本日1月21日は「ライバルが手を結ぶ日」。

1866年(慶応2年)のこの日(旧暦)、薩摩藩西郷隆盛小松帯刀長州藩木戸孝允桂小五郎)らが土佐藩坂本竜馬らの仲介で京都で会見し、倒幕のために薩長同盟薩長連合)を結んだ事に由来します。

ライバルが組んだり結んだり裏切ったりと言うと続・夕陽のガンマン/地獄の決斗なんかを思い出しますが、本日のテレビ東京午後のロードショー」が正にこれでナイスタイミングではあるのですが、何と179分のオリジナルを2時間枠で放送。放送は正味90分そこそこなのでほぼ半分が消えてなくなる勘定です。

イーストウッドとか出て来ないんじゃないでしょうか。

アニメの世界で「ライバルが手を結んだ」ものを眺めると、

共闘したわけではないですが、ライバルが手を握り合った名作と言えば、

 

人間が田植えのように…。 異世界美少女受肉おじさんと #2

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怪奇半裸LED女(本人曰く「愛と美の女神」)の力で異世界転生を果たした32歳のおっさん二人、橘日向と神宮寺司。

橘日向は泥酔時の願望通り≪少し幼く見えて、でもキリっとしててふわふわ金髪低身長のこの世のものとは思えぬ美少女≫となって。

神宮寺司は本人の希望通り、いつでも橘を自宅に送り届けられるように、橘の自宅限定どこでも(じゃない!)ドアを出現させる能力≪楽園の扉≫を具備して。

『何と言うか、願い事の叶え方が…雑!』(神宮寺)

雑に叶えられた願い事には雑な効能がありました。

異世界美少女受肉おじさんと/第2話・ファ美肉おじさんと絶世の美貌」(2022年1月18日深夜テレビ東京放送/洪佩妮演出)

橘自宅(水も電気は来ているが電波は届いていない。窓はあるが外には出られない)で寛いだ二人は、近くの村へ。

そこでは野盗の軍団が火付け物盗りの真っ最中。

早速、トラブルメーカーの本領を発揮した橘ですが、もうひとつの能力「絶世の美貌」も開花。

野盗が次々橘に結婚を申し込み、争い競って仲間割れ。あれよあれよという間に殺し合って全滅。

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地獄甲子園」の試合後みたいだ。


ああ、これって、「To LOVEる」のララたち三姉妹の母、セフィ・ミカエラ・デビルークが持つチャームの能力と同じものですね。

宇宙一美しい容姿と声を持つ少数民族"チャーム人"。その顔を見た男性はどんな紳士でも心奪われケダモノになってしまうという…。

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結果的に村を救った二人は恩人として崇められ、ついでに野盗の本拠地も急襲して壊滅(この二人の通った後はぺんぺん草一本生えないな)。

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『人間が田植えのように…』(橘)


回想で二人の学生時代の様子が挿入されますが、神宮寺はこの頃から橘大好きだったんですね。

気が付けば「かわいい。好きだ。結婚したい」の妄想が…。

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この理性と本能のせめぎ合いに耐えられなくなって暴れ出す神宮寺がいい。

馬鹿なのに真剣、変態なのに真摯。ギャグの間合いと掛け合いのテンポが素晴らしい。

もう魔王討伐とかいいから二人で森の奥に小屋でも作って暮らせ(水とトイレと風呂は「楽園の扉」で賄えるから、喰いものだけ調達できれば生きていけるだろう)。

橘マジ可愛いので理性で押し切るのは多分不可能。

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左:自宅にあった妹の服を来た橘。
右:村人の服を分けてもらった橘。

神宮寺がどこまで耐えられるか見ものです。

★ご参考

 

 

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★本日1月20日デヴィッド・リンチ監督の誕生日(おめでとうございます!)

如何にも、な代表作は昨年の誕生日にご紹介したので、本日は「言われなければ分からない(かもしれない)」異色作を。


★本日のTV放送【13:40~テレビ東京午後のロードショー

 

【イノシシ対ブシドーマン】ボア【inオーストラリア】

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バーの留守番を頼まれた黒人『ようし、今から黒人は半額、白人は倍額だ』

常連の白人客『ちょっと外で日焼けしてくるわ』

人種の距離感ってこれくらいが丁度良いんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。

ここはオーストラリア。クイーンズランド州ギンピー(←ロケ地)。広がりたいだけ広がる平原に住んでいるのはまったりとした、それでいて下品で猥雑な人々。そして人喰い猪。

「ボア」(2017年/クリス・サン監督)

タイトルからパイソンとかアナコンダのお友達を想像してしまいましたがスペルが違いました。

BOAではなくBOAR。イノシシです。

バン程度なら一撃でどつき転がす巨大イノシシ。

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オーストラリアで猪と言えば「レイザーバック」ですが、あれよりは遥かに1本筋の通った人でなし映画に仕上がっています。

CGに背を向けた、しかしアニマトロニクスほど精巧ではない(ただしホワイトバッファローよりは良く出来ている)ハリボテがひとりだんじり殺戮祭り。

得意技は体当たりと牙串刺しと頭蓋割り。

巨体の割りに神出鬼没。気がつけば前に後ろに左に右に。

このお姉さん👇なんか後ろから牙で一突き。梅安先生や灸屋(やいとや)又右衛門に針1本刺されただけで死んでしまう「盆の窪」から口蓋突き抜ける「口だけ食人族」状態。

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更にそのままぶんぶん振り回されて体で感じる遠心力。

どう考えても即死ですが、何故かすぐには死にません(不死身かよ!?)。

彼女を発見したジョン・ジャラット(「ミック・テイラー 史上最強の追跡者」では旅行者殺しまくるサイコさんでしたが、今回は普通の人)の対応が酷い。

『何も言うな。話さないで。…君の名は?』

おい!(笑)

オーストラリア映画だけあって、年配者の中には「マッドマックス」出演者がちらほら。

ロジャー・ウォード(裸マフラーで鳥に餌やっていたフィフィ・マカフィー)とかスティーヴ・ビズレー(全身黒こげジム・グース)とか。

特別ゲストでビル・モーズリーが。

名前見た時、てっきり彼がクズ親父で、さんざっぱら家族に酷い事した挙句、イノシシ倒して家族の信頼取り戻すのかと思いましたがかすりもしませんでした。

出番も見せ場もないまま頭齧られて終わり。折角、アメリカからビッグネーム呼んだのに何という扱い。

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では誰が主役なのかと言うと、牧場主の大男、ネイサン・ジョーンズ

「マッドマックス/怒りのデスロード」にも出ていた“偏差値貧乏なロック様”な感じの元プロレスラー(総合格闘家としてのデビュー戦は1997年のPRIDE旗揚げ戦。相手は何と北尾光司←この時のリングネームは北尾光覇)。

最後はナイフ1本(ほぼ素手)でイノシシに挑むという、撮り続ける金も気力もなくなったとしか思えないグダグダ展開になりますが、それもまた味わいです。

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ナイフを構えるネイサン・ジョーズをあしらった本作のポスター。もう全く別のジャンルになっています。サイコキラーかよネイサン。

おまけ

テントで彼女とムフフな事をしようとして果たす前にイノシシの餌になってしまったお兄ちゃんが紋々背負い。白人が和彫りとは珍しい、と思ったら二の腕に漢字一列。

「義勇仁礼誠」更に横書きで「名誉」。

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新渡戸稲造の「武士道(Bushido: The Soul of Japan)」であれば、この後に「忠義」が入るはずですが、アングルが微妙で確認できず(頭に義を持ってきているので多分ない)。

このお兄ちゃんブシドーマンだったのか(喰われちゃったけど)。

 

★オーストラリアでイノシシと言えば…

★ついでにK国でイノシシと言えば…

★カンガルーも忘れるな。

 

 

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