デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2010-01-01から1年間の記事一覧

行く父、来る父。 ステップ・ファーザー 殺人鬼の棲む家

シングルマザーを落としちゃ理想の家族作りに励み、うまくいかないと皆殺し。嗚呼、また失敗だ。どこにあるんだ理想の家庭。悩める父の旅は続く。「ステップ・ファーザー 殺人鬼の棲む家」(2009年/ネルソン・マコーミック監督)ステップ・ファーザー・・“…

主演:牛。 ツイスター

鑑賞動機が挿入曲(チャイルド・イン・タイム)一点買いなので、大した期待はしていませんでしたが、にしてもこりゃ一体なんじゃらほい。 ユニバーサルとワーナーが金出して、スピルバーグが製作総指揮やって、マイケル・クライトンが脚本書いて、ILMが特…

高岡早紀万歳! 忠臣蔵外伝 四谷怪談

「赤穂城断絶」で“俺ジナルな忠臣蔵を撮るぞ!”という熱い想いを萬屋錦之介に阻まれた深作の華麗なるリターンマッチ。 しかし、勢い余った情熱も、吉良も浅野も忠義も士官も御政道も高岡早紀のおっぱいに蹴散らされ弾き飛ばされてしまいました。 「忠臣蔵外…

実機も凄いが特撮も凄い。 加藤隼戦闘隊

冒頭いきなり“撃ちてし止まむ”の文字。 続いて、陸軍省後援、情報局選定のテロップ。 戦意高揚のプロパガンダ映画であることは間違いありませんが、戦後民主主義と強制された自己批判で卑屈になった今の自虐的戦争映画に比べれば1万倍面白いです。 「加藤隼…

ホモ艶が足りない…。 GONIN[劇場公開版]

人生の余裕残高がゼロになった待ったなしの五人組が、暴力団のアガリを強奪。しかし、世の中そんなに甘くない・・。「GONIN[劇場公開版]」(1995年/石井隆監督)お話自体は、人生どん詰まり→窮鼠猫を噛む的一発勝負→成功→報復→破滅という鉄板フォー…

太陽は? センター・オブ・ジ・アース ワールド・エンド

本家より先にバッタモン鑑賞ってのも如何なものかとは思いますが・・。 「センター・オブ・ジ・アース ワールド・エンド」 (2008年/デヴィッド・ジョーンズ監督) 近未来。軍部は物質転送装置の開発に成功(おめでとう!)。しかし、ドイツに送られるはず…

メリー・クリスマス! オーメン2/ダミアン

今月、イカール星人に会いに函館に行ったら、函館山の麓がカラスまみれ。皆、お約束で「ヒッチコックの鳥だあ!」とか言い垂れていましたが、カラスで思い出す映画と言えばやはりこれでしょう。 「オーメン2/ダミアン」 (1978年/ドン・テイラー監督) 別…

新宿インシデント前史~やくざ喫茶の思ひ出

今月頭に御紹介した「新宿インシデント」は90年代初頭の新宿・歌舞伎町を舞台にしておりますが、その数年前、80年代後半は移民もまだ少なく、意外と牧歌的でした。 私は根が小心、と言うかとことんケチなので、博打というものに嵌まったことがありません。競…

そうか、バターだな。 ジュリー&ジュリア

『美味しい、と感じた料理の決め手はいつだってバターだ。バターの量は多ければ多いほど良い』そうか。バターだな。分かった。「ジュリー&ジュリア」(2009年/ノーラ・エフロン監督)曼荼羅畑とは対角線上にある世界観の映画ですが、たまにはこんなのも。…

祝!デジタル・リマスタ・・あ? キャノンボ―ル

♪タン、タン、タ~ン!弱きを助け強きを挫く正義の味方キャプテン・ケイオスの大活躍を描いたオールスター・ムービー(だよね?)が廉価&デジタル・リマスターで再発!どこがリマスターなんだかさっぱり分からない微妙な画質ですが、出しただけ立派。吹き替…

アユタヤに忍者、虚無僧、日本刀。 マッハ!弐

前作(マッハ!!!!!!!!)は、どうでもいい脇キャラといらんエピソードにイラっときましたが、では虚飾も笑いも排してアクション一辺倒にしたらどうかと言うと・・。それはそれで物足りないなあ。 「マッハ!弐」(2008年/トニー・ジャー監督) “弐”と謳って…

う~む。 ONE PIECE FILM ワンピースフィルム STRONG WORLD

原作者が製作総指揮、興行収入が前作の5倍強・・それなりに期待していたのですが。う~ん、困った。ちょっと薄すぎないか。「ONE PIECE FILM STRONG WORLD/ワンピース フィルム ストロング・ワールド」(2009年/境宗久監督)連れ去られたナミを奪還する、…

涙は心の汗だ! われら青春!

ホラー、テラーからちょっと目先を変えて青春ドラマを一発。年代によっては中村雅俊=「夕陽ヶ丘~」だったり、「俺たちの旅」だったりすると思いますが、あたしら世代にとって中村雅俊と言えば、 「われら青春!」(1974年4月~9月/日本テレビ放送) 表題…

“復仇”を訳すと・・ 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

『意味があるのか。記憶を無くした男の復讐に』 『奴が忘れても俺は約束したんだ。行くぞ』 ハリウッドでケツの毛まで抜かれてしまったウーさんに代わって心の男塾を開き続ける男、ジョニー・トー先生の新作です。 「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」(2009年…

表も裏も嘘。THE 4th KIND/フォース・カインド

策士策に溺れた水死体。もうちっとフェイクとして振り切ってくれれば、評価はさておき、存在感だけばグッと増したと思うのですが。 「THE 4th KIND/フォース・カインド」 (2009年/オラントゥンデ・オスサンミ監督) アラスカの小都市ノームで起きた謎の怪…

ジローラモ×松本人志。 プレデターズ

監督が決定した時から、嫌ぁな予感はしておりましたが、う~む・・。 大好きなシリーズではありますが、心を鬼にしてこの一言を。 うわぁ、つまんねえ。 「プレデターズ」 (2009年/ニムロッド・アーントル監督) 自由落下の最中に覚醒する出だしは快調。 …

激渋! 海外版邦画DVDジャケット選手権!

邦画の海外版DVDは価格が安い上に特典豊富(愛が足りんぞ、国内メーカー!)、というのは本経典が繰り返し主張する所ですが、中身だけでなく、ジャケット・デザインも本家超えしているものが多々あります。 本日は「渋い、渋すぎる!」な海外版邦画ジャケ…

全日本木刀伝説。 ワル/下妻物語

しつこく続けます武器ネタ話。太く硬く黒光りする観光地の定番商品。京都の寺は言うに及ばず、奈良の東大寺山門にも、浅草寺仲見世にも、江ノ島江島神社にも、必ず置いてある定番中の定番、土産物屋のアイデンティティーと言っても過言ではない時空を超えた…

机の中のお守りに・・。 西洋呪い術秘伝

昨日のスタンガンに続いて武器モノ第2弾。 無骨にして力業なスタンガンは便利ではありますが、洗練さに欠ける小道具です。 スマートさを好む都会派の男女にお奨めするなら「呪い」でしょう。 何といっても法律的に存在を認知されていないというのがお洒落。…

白熱放電に魅せられて。 ダイハード2(とスタンガンの作り方)

手のひらサイズの小さな小箱。照れくさそうに突き出した2本の角。その2本の角の間を行き来する白熱放電。ラブリーです「スタンガン」。一般にはあまり知られていなかったこのアイテムをメジャーに押し上げたのは何といってもこの映画でしょう。 「ダイハー…

函館壊滅⁉ タワーロボ vs イカール星人

社員旅行(!)で函館に行ってまいりました。バスガイドのおばちゃまが「そうですね、函館と言えば何と言ってもイカール星人・・」な、なんですとお?! い、イカール星人?!聞けば、イカール星人は、函館の観光PRのために考案されたご当地キャラで、見た…

男泣きの2本立て。マジンガーZ対デビルマン/対暗黒大将軍

♪人の命は尽きるともぉ~、不滅の力、マジンガーZ!♪大空羽ばたく紅の翼ぁ~、その名はジェット・スクランダー!♪裏切り者の名をうけてぇ、全てを捨てて戦う男!♪俺は涙を流さない、ダダッダー!ロボットだから、マシンだから、ダダッダー!僅か86分の間に…

さあ、ご覧!(嫌だ!)。 ザ・ブルード/怒りのメタファー

被害妄想を怒りに転化させ、更に実体化させる・・どういう精神状態に置かれるとこんな話を思いつくのでしょう。カナダが世界に誇る変態監督、初期の問題作です。 「ザ・ブルード/怒りのメタファー」 (1979年/デヴィッド・クローネンバーグ監督) アングラ…

宣伝文句で辿るもうひとつの映画史。 惹句術。

誰にでも、たまぁにパラパラとめくっては眺めるように読み返す“お気に入り”があると思いますが、これはそんな一冊。「映画の心 惹句術」(関根忠郎・山田宏一・山根貞夫共著/講談社/昭和61年初版発行)東映宣伝部の惹句師(断じてコピーライターではない)…

カットの意味が分からない。 オペラ座/血の喝采[欧州完全版]

米国改竄版がどうにも納得行かなかったので、欧州完全版を取り寄せました。 なんだ、ちゃんと話繋がっているじゃないか。 アメリカ人は何を考えてあんな無意味な編集したんだ。 「オペラ座/血の喝采[完全版]」 (1988年/ダリオ・アルジェント監督) 米国…

生き残る事こそ栄光。最前線物語[リコンストラクション]

“I Can’t Murder Anybody.” “We Don’t Murder, We KILL.” “Murder, Kill, It’s The Same Thing” “We Don’t Murder, ENEMY We Kill.” アメリカ側とドイツ側双方で交わされる同じ会話。 「フルメタル・ジャケット」の“He(GOD) Plays His Game, We Play Ours”と…

まだ影薄いな、デ・ニーロ。 血まみれギャングママ

原題BLOODY MAMAなので、限りなく直訳ですが、センスある邦題です。 「血まみれギャングママ」 (1970年/ロジャー・コーマン監督) 1930年代にアメリカ中をブイブイ言わせた強盗団ケイト・バーカー一家の顛末を綴る実録犯罪モノ。実行犯は専ら4人の息…

依頼人とシンクロする復讐者。 パンプキンヘッド

DVDの中古がamazonで14,500円~38,000円。貧乏人苛めるなよ。仕方が無いので輸入版購入(1,228円!)。その詩的な佇まいは「ヘルレイザー」と双璧を成すと言って良いモンスター物の良作でした。「パンプキンヘッド」(1988年/スタン・ウィンストン監督)「…

それでも推す。 第9地区

実は新しいアイディアなんかどこにもありません。 「ザ・フライ」と「第5惑星」を足して「シティ・オブ・ゴッド」で味付けして「ダークマン」と「ロボコップ」を振りかけた、そんな感じの代物です。 異星人を移民に見立てた着眼点と、ドキュメント映像と映…

追悼アーヴィン・カーシュナー。スターウォーズ/帝国の逆襲

アーヴィン・カーシュナー監督が11月27日、お亡くなりになりました。87歳。 長期療養中だったとの事ですが、87まで生きればまずまずでしょう。 代表作と言えばやはりこれ。 「スターウォーズ/帝国の逆襲」(1980年/アーヴィン・カーシュナー監督) モフ・…