デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

#読書

【10年後に至る点景。樽見問題に決着】安達としまむら【原作第10巻&コミカライズ1~3巻】

TV放送終了後初となる原作文庫最新刊が発売されました。 「安達としまむら10」(2021年9月10日発売/入間人間著) 実は物語の結末は第8巻で既に描かれています。10年後の安達としまむら(原作者が「いつ死んでもいいように」とラストだけ先に書いてしまった…

【祝!国内版BD発売】DAGON【原作の本格コミカライズも☞】インスマスの影(田辺剛版)

ラヴクラフト映画としては上位の出来と密かに評価しているスチュアート・ゴードン監督の「DAGON」が国内初BD化。それまではVHSオンリーだったので、快挙と言って良いでしょう。VHSケースを模したアウターには筋違えるかと思うくらい首を傾げましたが…。 何故…

6月23日はMr.不条理、リチャード・マシスン忌。薄く浅く原典回顧。

本日6月23日は作家リチャード・マシスン(1926~2013)の命日です。ロッド・サーリングと共に「トワイライト・ゾーン」を支えてきたMr.不条理。作品自体の外れはまずない人だと思いますが、映像化されたものだとアタリとハズレが両極端。折角なのでマシスン…

「結」だと!? やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第14.5巻

完結編となった14巻あとがきで「短編集の刊行」は予告されていましたが、いずれ読む機会があるんだろうな、程度の期待でした。なんせ渡航さん、今期は「聖女の魔力は万能です」のシリーズ構成とかも手掛けてますし。が、思いの外早く、その機会は巡って参り…

【1周目クリア、そしてまさかの】ぼくたちは勉強ができない COMICS第17巻【マルチエンディング突入!】

「俺ガイル」が終わり、「このすば」が完結し、今度は「ぼく勉」。迎えた結末はうるかエンド。前巻で大きくうるかルートに舵を切っていたので当然の帰結ではありますが、まさかこれがトゥルーエンドではなく「1周目クリア」に過ぎなかったとは…(今回は色々…

何と言う多幸感! この素晴らしい世界に祝福を!/第17巻・この冒険者たちに祝福を!

「この魔法に関してだけは、先輩にも負けない自信があるからね! 幸運の女神の名において、とびきりの祝福を! 『ブレッシング』!!」その魔法は、私たち読者にもかかったようです。《カズマさーん、カズマさーん! はやくきてー、はやくきてー!》「さあ、そ…

【順番は】この素晴らしい世界に祝福を!5 爆裂紅魔にレッツ&ゴー!!【映画→原作】

「姉ちゃんは臆病者なんかじゃないよ!」 「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」観終わったので速攻原作購入、一気読み。順番はこれが正解。先に映画、後から原作です。 「この素晴らしい世界に祝福を!5 爆裂紅魔にレッツ&ゴー!!」(2014年9月1日初…

3月15日は邪神忌。今宵はラヴクラフト先生と共に。

「アレがヤバイ事ぐらいは見りゃ分かる。何なんだよアイツは!」 「たたた、確か『強壮なる使者』だとか『這い寄る混沌』だのと呼ばれる、土の大精霊ではないかと言われているはずなのだが……!!」 「バカッ、それってとびきりヤバいヤツじゃねーか!」 「この…

【回顧と】谷津嘉章/さらば闘いの日々【悔恨】

多分、人間には2つの種類があります。星を持つ者と持たざる者。大きな星を持つ者は本人がそれと意識しなくとも周りが自分に都合よく動き常にアタリを引く(もしくはハズレをギリギリで回避する)人生を歩む。持たざる者は常に岐路の分岐に失敗し、裏切られ、…

またひとつ歴史の墓碑銘。 映画秘宝休刊。

2020年2月1日、洋泉社が親会社の宝島社に吸収合併されて解散することになりました。 これに伴い「映画秘宝」も(期日未定ではありますが)休刊となるようです。※追記:『映画秘宝』は2020年1月21日発売の3月号、『特撮秘宝』は2019年9月発売のvol.8をもって…

【希(こいねが)う】やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。第14巻【そして3期へ】

2011年から約9年。平成から令和へ。作中の時間軸は1年と経っていないはずなのに。長すぎる1年がようやく終わりを告げました。「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。第14巻」(2019年11月19日発売/渡航著)馴れ合いの人間関係を欺瞞と誹り、本物が欲し…

らもさん、鴨さんによろしく。 追悼:吾妻ひでお

漫画家・吾妻ひでおさんがお亡くなりになりました。 10月13日。69歳。食道癌。 「アル中病棟」の続編(「失踪日記3」?)を心待ちにしておりましたが果たせませんでした。 “不条理SF”という本来のジャンルよりも「失踪」「アル中」の方に目が行ってしまう(…

え、やるの? 魔王討伐。 この素晴らしい世界に祝福を!16 脱走女神、ゴーホーム!

『追伸。探してください』 置手紙を残してひとり魔王討伐の旅に出たアクア。 絶対やらんだろうと思っていた魔王討伐。え、やるの? 本当に? 「この素晴らしい世界に祝福を!16 脱走女神、ゴーホーム!」(2019年8月1日初版発行/暁なつめ著) 劇場版「紅伝説…

マウントをとったのはどっちだ? この素晴らしい世界に祝福を!15 邪教シンドローム

サトウカズマだけは敵に回してはならない。 たとえ相手が女であってもドロップキックをかますことができる真の男女平等主義者。 その矛先は相手が魔王幹部のダークプリーストであっても変わらない。 「この素晴らしい世界に祝福を!15 邪教シンドローム」 (…

祝!映画化。 この素晴らしい世界に祝福を!/第12巻 女騎士のララバイ【Blu-ray同梱版】

『…なあ、カズマ…お前は、めぐみんの事が好きなのか?』 俺の名は佐藤和真。 一時の色香や感情に流されたりはせず、そう簡単に重い責任を背負ったりはしない男だ。 “このすば”は所謂ラブコメからは距離を置いている(そういうのは薄い本に任せている)と思…

それは本当に共依存か? やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第13巻

『あんた、アホですか? なに話拗らせてるんですか』 『なんか……、ヒッキーってたまにすごく頭悪い』 『この人、アホだろ』 『比企谷……。君のやり方はまちがっている。君がすべきなのはそんなことじゃないはずだ』 『なんでこうなっているか知らないし、私が…

人生と心支える名台詞PART2

『お前の仕事はお前じゃない。 銀行残高もお前じゃない。 乗ってる車もお前じゃない。 財布の中身もそのくそったれなカーキ・ファッションも お前と関係ない。 お前はただ歌って踊る、この世のクソだ』 (「ファイト・クラブ」よりダイラー・ダーデン先生の…

創造に加担する悦び。 冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム【全10巻】

映画化が発表された本編に先立って霞ヶ丘詩羽ルートのスピンオフコミックが大団円を迎えました。 「冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム/第10巻」 (2018年6月25日初版発行/丸戸史明・武者サブ著) アニメ2期(♭)は本命・加藤恵の独走状態になって…

是非、実現を…。 筒井康隆版大魔神

まずは左の表紙写真をご覧ください。 小さく謙虚に「大魔神」。そして筆も折れよとばかりにでっかい朱文字で筒井康隆。 まるで大魔神というペンネームの作家さんが筒井康隆半生記を書き上げたかのような錯覚に陥りますが違います。 正真正銘、筒井康隆著の大…

新訳か旧訳か。インスマスを覆う影(に関する浅~い考察)

ラヴクラフトという山脈に挑んで途中下山してきた人って案外多いんじゃないでしようか。人類以前の歴史。その禍々しくも宇宙規模な恐怖の断片を紡ぎ合わせた神話体系には魅了されるものの、何せ相手は100年前の英語の翻訳。現在最も流通している創元推理文庫…

祝!続刊。 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第12巻

“その鍵は彼女だけが持っていて、俺は触れたことがない” 第11巻から待つこと2年と3ヶ月。(アニメと共に)燃えつきたか渡航、尾羽打ち枯らしたか渡航。今年4月に発売告知されながらも延期となった時は、もう11巻(=アニメ2期最終話)を以って完結でもいいか…

地獄の沙汰もフルチ論

昨日の「ゾンビ論」の補足。 本書は“ゾンビ論”であって“ロメロ論”ではないので、当然もうひとりの勇、ルチオ・フルチに関してもページを割いています。 ご存知のようにフルチの代表作「サンゲリア」の原題は「ZOMBI2」。ロメロの「ゾンビ(ヨーロッパ公開タ…

引っ越しの 隙間を縫って ゾンビ論

『どうしてあらゆる局面で危機また危機なんだよ!』 「GAMERA1999」より南里プロデューサーの嘆き。 この度、会社が移転いたしました。事務方消耗品として契約から搬出・搬入まで立ち合い。結果、三連休に三連泊。ベッド代わりのソファも片づけられて最後は…

30年越えの格闘漂流。 新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編

重度のAmazon依存症になり、リアルな本屋になぞトンと足を向けなくなってしまいましたが、時間つぶしにふらりと立ち寄った店で夢枕獏の新刊発見。 「新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編」(2016年4月24日双葉社第一刷発行/夢枕獏著) 「新」の3巻。通算16巻目の…

ゾンビーハンター/死霊狩り。 平井和正と狼男の思ひ出

「おれには、まだしなければならぬ地上の仕事が山ほどあるのだ。 こんなアンハッピーエンドで締めくくられてたまるものか。 まったく冗談じゃないよ。 だが、おれはまだ死なないのだ。 かならず、またお目にかかろう」(「狼男だよ」より) 19日にお知らせし…

待つこと8年。 アル中病棟-失踪日記2-[吾妻ひでお]

現実逃避の実践バイブル「失踪日記」から8年。待ちに待った続編が刊行されました。 「アル中病棟-失踪日記2-」(イースト・プレス発行/吾妻ひでお著) 奥付を見ると10月10日1刷で25日には5刷! 如何に続編を待ち望んでいた人が多かったか分かります。…

ギムレットにはまだ早い。 長いお別れ

「ギムレットにはまだ早い」 よくカクテルの解説本でギムレットの項を見ると大抵「フィリップ・マーロウの台詞としてあまりにも有名な」という枕詞付きでこの台詞が載っていますが、ちょっと待てい! これはマーロウの台詞じゃないだろう。 説明不要かと思い…

26年目。 新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編

―――――――――――――――― 「やらせてください。誰でもいいんです。おれは、おれの覚えた技を、おもいきり誰かに使ってみたいんですよ。川辺さんならわかってくれるでしょう。おれたちがリングでやっているあれは……」 ここにもひとり、己の肉体を駆使して、修羅の道…

行間に刻まれし惨劇のカタルシス。 グラン=ギニョル傑作選

“グラン・ギニョル”という単語を初めて知ったのは、高校生の頃。ブライアン・デ・パルマ監督の「フューリー」(写真下)を“残酷人形劇(グラン・ギニョル)”と形容した評論を読んだ時でした。このなんとも耳にまとわりつく嫌ぁな響きに魅せられて幾星霜。確…

西原理恵子原作の映画が当たらないワケに関する浅~い考察

西原理恵子の漫画が映画化ラッシュです。09年以降だけでも「いけちゃんとぼく」「女の子ものがたり」「パーマネント野ばら」そして「毎日かあさん」「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(最後のは元夫鴨ちゃん原作ですが)高度経済成長期の高層ビル乱立の如…