映画を早送り(1.5倍速/10秒飛ばし/ファスト映画←違法です)で鑑賞するタイパには反感を抱くのに、文学となると何故かあまり抵抗がない。自分勝手なものです。
「評判すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」(2023年9月27日リイド社より初版発行/ドリヤス工場著)
以前ご紹介した「必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」の続編、「有名すぎる~」「定番すぎる~」「必修すぎる~」に続く第4弾です。
「痴人の愛」(谷崎潤一郎)、「不思議の国のアリス」(ルイス・キャロル)、「アッシャー家の崩壊」(エドガー・アラン・ポー)、「車輪の下」(ヘルマン・ヘッセ)、「二十四の瞳」(壺井栄)など全24編。
今回の特徴は短編だけでなく、中長編も守備範囲にしていること。
やはり長編はちと、いやかなり辛いですね。
菊池寛の昼メロ大作「真珠婦人」を10頁に収めるのは色々無理がありました(特別に前後編に分けるとかでも良かった)。
ラヴクラフトの「インスマスを覆う影」は過不足なくまとまっておりましたが、田辺剛氏による気合の入った上下巻コミカライズを見てしまうとやはり喰い足りません。
あと、詩集は漫画に不向き(三好達治「測量船」)。
惹かれたのは「押絵と旅する男」(江戸川乱歩)と「外科室」(泉鏡花)。
理屈も常識も弾き飛ばす「一目惚れ」が生んだ奇跡と悲劇。
実に漫画向きの題材でした。
★前作のおさらいはこちら。
★「インスマスを覆う影」のコミカライズはこちら。
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