2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧
“俺の捜査に手錠はいらねぇ! 全員射殺だ!”物凄い惹句です。かなり内容を捻じ曲げていますが、部分的には正解です。勝プロ製作、若山主演。映画界のサンダとガイラが手を組んだ滅茶ぶつけバイオレンス。「桜の代紋」(1973年/三隅研次監督)桜の代紋とは旭…
『こんな奴、百発ぶち込んだって正当防衛なんだよ』無理があるにも程がある脚本、サスペンスを盛り上げる気がさらさら無い演出と編集と音楽・・ひとつひとつは全部駄目なのに合体すると何故か合格…。映画の方程式は難しい。「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年/…
尊皇、攘夷、佐幕…。現代のカリカチュアとしての時代劇である必殺シリーズにおいて、時代背景を色濃く反映させているのは「暗闇仕留人」と本作くらいではないでしょうか。 「必殺からくり人・血風編/最終回・夜明けに散った赤い命」(1977年1月14日放送/松…
サブマシンガンのマズル・フラッシュだけでカチコミを表現する・・これだけでバイオレンス映画史に刻まれる資格があります。数カット挿入された銃撃シーンが屋上屋でしたが、ここを切り捨てる勇気があれば問答無用の傑作になっていたと思います。「ソナチネ…
『どいつもこいつもキチガイだ』 北野武の初監督作としては勿論ですが、白竜という獣を野に放った作品として、その後のジャンル映画の重鎮を輩出した作品として、語り継がれるべき問題作です。 「その男、凶暴につき」(1989年/北野武監督) 思えば特報から…
全身を土で固められて(ご丁寧にも呼吸用の竹筒を銜えさせられて)、素焼き人形状態で丸焼き。 嗚呼、こんな死に方だけはしたくないなあ。 「裸のジャングル」 (1966年/コーネル・ワイルド監督) 白人が象牙目当てにジャングルに分け入っていた19世紀のア…
「エイリアン」の世界観を引き継ぐ・・プリクエルなのか番外編なのか、何とも判断つきかねる例の作品の予告編第1弾が公開されました。その装甲車、その宇宙船は紛れも無く…。「プロメテウス(の予告編第1弾)」(2012年/リドリー・スコット監督)予告編…
やれ凡作だの話のスケールが小さいのと評価の芳しくない作品ですが、何をおっしゃいますお武家様。これぞ80年代を代表する歴史の断片、時代の生き証人ではありませんか。 「フラッシュダンス」(1983年/エイドリアン・ライン監督) 主演はこれ1発でブレイ…
プロレスラー、上田馬之助が亡くなりました。12月21日、呼吸不全。71歳。日本プロレス・クーデター事件の発端とも幕引きとも言われている悪役レスラー。髪をまだらに染めあげ、竹刀を振り回し、タイガー・ジェット・シンと共にサーベルを咥え、前田のハイキ…
森田芳光監督がお亡くなりになりました。 12月20日。急性肝不全。61歳。 若いですね、まだ。有名作や最近作は誰かが取り上げると思うので割愛。 私的森田ベストは商用デビュー作「の・ようなもの」と、「家族ゲーム」…と同じ年に作られた、 「ピンクカット/…
ううむ。間合いと勢いが心情のサイバラ漫画をよくぞここまでグタグダなテンポに。「毎日かあさん」(2011年/小林聖太郎監督)昨日御紹介した「酔いがさめたら、うちに帰ろう」の視点違い。合わせ鏡の双生児、なのですが…。表現、リズム、全てが駄目。映…
『大丈夫、まだ死なないよ』永作博美はサイバラを演じるには線が細いかと思いましたが、最初のこの一言で「いける」と確信。元戦場カメラマン、ジャーナリスト。躁鬱・アル中・末期癌の三冠王、鴨志田穣の闘病記録。 「酔いがさめたら、うちに帰ろう」(2010…
『持っていたおもちゃは全部覚えている』『おもちゃもさ。彼らは忠実なんだよ』 嵐を避けて近くの屋敷を訪れた2組6名の男女。 屋敷には老夫婦と人形たち。 後は想像通りの展開ですが、ホラーではありません。これは最早大人の…いや、好きなものをいつまで…
超豪華メンバーなのに、どこから見ても色物企画。アニメとメタルという人生の裏街道に横殴りなスポットライトを浴びせたアニメタルUSAの1stアルバムを聴いて見ました。昔の“あの”声が出ているのか不安でしたが、まだまだイケるじゃないか、マイク・ヴェ…
人間、眼が良すぎると見たくもない色んなものが見えてしまい、精神衛生上誠に宜しくありません。他人の多重人格が“見えてしまう”(三重人格の人なら3人に見えてしまう)眼を持った男は果たして幸福でしょうか。 「MAD探偵/7人の容疑者」 (2007年/ジ…
『あんたは何でも欲しがるが、俺たちは違う。俺たちが欲しいのはあんただけだ』風紀課刑事で思い出すのは「シャーキーズ・マシーン」ですが、あっちには刑事としての矜持に対する報いがありました。本作の二人には報いがありません。刑事たらんとする行動と…
「最後の狙撃者 T・M 1899.10.9. プレスコット アリゾナ」 SAAグリップの内側に記された刻印。思わず頬ずりしてしまう伊達。 優作のナルシストぶりが頂点を極めた瞬間。 SAAを神々しく扱った邦画として、カクテルのレシピというものを初めて知った作品…
朗々と謳い込むさだまさし。 画面一杯に“海は死にますか”“山は死にますか”のテロップ。 なあ、折角、当時の天気まで書き込んだ歴史年表を作って歴史に忠実たらんとした笠原和夫の脚本をこんな歌でぶち壊すなよ。 「二百三高地」(1980年/舛田利雄監督)…
昨日の「メカゴジラの逆襲」を最後に冬眠9年。満を持して復活した1984年版「ゴジラ」は劇場で2回観て2回爆睡。 監督の橋本幸治は同じ年に「さよならジュピター」を世に送るというハットトリック一歩手前の偉業(?)を成し遂げております(以後監督自主廃…
前作「ゴジラ対メカゴジラ」のバトルシーンを伊福部サウンドに乗せて再編集、ストップ・モーションと共にスタッフ、キャスト・クレジット。 前作の(一部ファンの)不満を一挙に解消する満点のオープニングです。 この勢いで走ってくれたら(個人的には)大…
以前、ヘンリー・シルヴァをイカレサイコ殺人鬼代表として称えた事がありましたが、彼が西の横綱なら東はこの人。マイケル・アイアンサイド。キューピーのように愛らしいおでこに、悪魔も逃げ出す三白眼。得意技は思念による相手の頭部大爆破(@スキャナー…
世界の終わりまで、あと28日と6時間42分12秒。 夢遊病のように家を出て、メタルうさぎに世界の終わりまでの残り時間を聞かされた高校生ドニー・ダーコ(ジェイク・ギレンホール)。 翌朝、ゴルフ場で目覚めて家に戻ると、空から降ってきた飛行機のエンジンが…
You are not your job. You are not how much money you have in the bank. You are not the car you drive. You are not the contents of your wallet. You are not your fucking khakis. You are the all-singing, all dancing crap of the world お前の仕…
『テレビは真実ではない。ただの遊園地だ。 真実を求めるなら神のもとへ。 導師のもとでもいい。自分自身だって構わない。 真実はそこにしかないからだ! テレビから真実は得られない。 心地よい言葉を発し、嘘ばかり言う。 幻を提供している。そこに真実は…
『There Waaaaas A Vibration!』最早日本では永遠にお蔵入りかと思っておりましたが、NHK-BSがまさかの放送(12/5)。しかも、メディアの虚構を告発する「ネットワーク」と連チャンで。受信料を払っていた甲斐がありました。偉いぞ、NHK。 「チャイナ・…
『貧しい芸術家なんていません。パパン様が言っていました。「世界中の芸術家の叫びが聞こえる。“私に最高の仕事をさせてくれ!”」と』DVDがAmazonの中古で79,600円(最高値128,000円)!どこのインフレ大国だよ!なご無体価格に泣かされてきましたが、遂…
よもや、抜けるような青空の下、スローモーションで宙を舞う千切れチ●コの映像をデジタル・ニューマスター(スクイーズ・ビスタ)&5.1chで観賞できる日が来ようとは…。長生きはするものです(そんな事のために生きてきたのか、俺は?!)。「吐きだめの悪魔…
予定調和に鼻水かける究極のバッド・エンドでありながら、泥の様な充足感を残す問題作をBlu-rayで再視聴。うわあ、こりゃ完全に別物だ。 「セブン[Blu-ray]」 (1995年/デヴィッド・フィンチャー監督) 冒頭のサマセット(モーガン・フリーマン)宅の室内…
松田優作逝去の翌年、丸山昇一(脚本)、仙元誠三(撮影)、桃井かおり(主演)という正に“盟友”と呼ぶに相応しい面子で作られたハードボイルド。本来なら“もうひとつの遊戯シリーズ”くらいの誉め言葉を献上したいところですが(実際、その部脈で語られる事…
『俺にはもう心が無い』 『西が探します』今まで多くの女優さんに万歳を叫んでまいりましたが、初の三唱を捧げたいと思います。「赤い天使」(1966年/増村保造監督)日中戦争只中の天津。陸軍病院に配属された従軍看護婦・西さくら(若尾文子)。戦線を仕切…