デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2009-01-01から1年間の記事一覧

弾けたトムは恐ろしい。 トロピック・サンダー/史上最低の作戦

いやあ、弾けたトム・クルーズは恐ろしいなあ。これもサイエントロジー・パワーでしょうか。 「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」 (2008年/ベン・スティラー監督) 取りあえず、邦題考えた奴は減俸。映画の撮影のつもりが、本物のドンパチの真っ只中…

弾丸メリー・ゴーランド。 アラン・ドロン/私刑警察

フランス映画なのに何故かVシネな香り。もしくは東映セントラル・フィルムのプログラム・ピクチャーのような。かつての遊戯シリーズとか、最近だと三池の「荒ぶる魂たち」に近い、多分にピノ・マルチーズの音楽が妙にそれっぽいという単純な理由からだとは…

ゼロ年代(過去10年間)偏差値貧乏ベストテン

09年がもうすぐ終わるって事で、国内外のあちこちでゼロ年代ベストテンなんてものが発表されています。しかし、なんかどれもピンと来ないので、俺様ベストテンを作ろう!と思って2000年からの公開リスト(ネットって便利だなあ)を眺めて唖然・・・。…

…おい!(怒)×∞ 少林少女

なあチャウ、お前本当にこの映画の製作許可したのか?もし師父が生きていたら間違いなく殺されてるぞ。「お前は家族の名誉を汚し、少林寺の名誉を汚した」ってな。もう“ナンデスカコレハ?”などとお茶らけている段階じゃないわ。日本映画の卒塔婆。誰か供養…

63万円かあ・・。 エイリアン4(の1/1プロップ・レプリカ)

グロだの悪趣味だの言われておりますが、んな事ぁこの監督に発注した段階で与件です。 「エイリアン4[完全版]」 (1997年/ジャン=ピエール・ジュネ監督) 仲間溶かして脱出口作るエイリアンとか、リプリー復元失敗作とか、母の愛情を求めつつ宇宙に吸い…

言葉を失うグダグダ仕事。 沈黙のテロリスト

ううむ・・。ケンシロウの如く拳を突き出しても、押さえ切れない「突っ込み所」。ここまでいい加減な作りの映画観たの久しぶりです。「沈黙のテロリスト」(2001年/アルバート・ピュン監督)頭に“沈黙”って付いてんだから、当然セガール親父があたたたたで…

泣ける話じゃないか・・。 パンプキンヘッド2

チャチいセットとモロ着ぐるみな怪物造型にざわざわと不安が湧き立ちましたが、いやあ、哀しい中に爽やかさの残るいい話じゃないですか。「パンプキンヘッド2」(1993年/ジェフ・バー監督)50年代、アメリカの田舎町。悪童6人組が、森に住む畸形の…

これが「鋼鉄の処女」か。 スリーピー・ホロウ

実の所、ストーリーの印象は極めて薄いのですが、“鋼鉄の処女”が映像化されているという1点に於いて2階級特進。「スリーピー・ホロウ」(1999年/ティム・バートン監督)1799年のニューヨーク郊外というビジュアルが全く思い浮かばない(故に映像とし…

追悼ジェニファー・ジョーンズ。 タワーリング・インフェルノ

ジェニファー・ジョーンズがお亡くなりになりました。90歳。まあ、人生全うしたと言って良いのではないでしょうか。「ジェニーの肖像」の神秘的美しさには息を呑みましたが、リアル・タイムな印象となると私ら世代はやっぱりコレ。 「タワーリング・インフ…

追悼:ダン・オバノン(とオバノンBEST WORKS)

ダン・オバノン先生がお亡くなりになりました(泣)。12月17日。炎症性腸疾患クローン病(なにそれ?)。63歳。まだ若いじゃないですか。改めてプロフィールを眺めれば、「ダークスター」に始まり、「エイリアン」「ゾンゲリア」「バタリアン」「スペース・バ…

クレヨンしんちゃん/オトナ帝国の逆襲 V.S. 千と千尋の神隠し

『本気で21世紀を生きたいなら行動しろ! 未来を手に入れて見せろ!』しんちゃんが走る。ひたすらに走る。ただそれだけのシーンなのに何故私はさめざめと泣いているのでしょう。「クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」(2001年/原恵…

真面目に作ってどうするよ? トラックス

良く分からない理由で機械(主として大型トラック)が暴走するという「キング印」のおとぼけ小説を映像化したTVM。そう、かつてキング御大自らがメガホンを取って、この世のものとは思えないトンデモ映画にしてしまった「地獄のデビルトラック」のリメイ…

それ行けチャッキー! チャイルド・プレイ

ホラーで人形というともうそれだけでチビチビな怖さがあります。 特に日本は昔から「お菊人形」とか「藁人形」など恐怖文化の一翼を担うアイテムとしてイメージが定着しています。 代表例が、怪奇大作戦の第7話「青い血の女」・・思い出しただけでチビチビ…

10年後にはカルト? フィースト3/最終決戦

回を追うに従ってグダグダ度満開。 「フィースト/最終決戦」 (2009年/ジョン・ギャラガー監督) 原題は“FEAST3:HAPPY FINISH”。ハッピー・フィニッシュって・・。 前作でどう考えても死んでいる小人プロレスラーと顎から頭にかけて鉄パイプが貫通してい…

ピンク・フロイド?キング・クリムゾン? ドラゴン危機一発

久しぶりにケーブルで観たらBGMがごっそり差し替えられていてびっくり仰天。 「ドラゴン危機一発」(1971年/ロー・ウェイ監督) TAM盤サントラ聴きなれた者としては、当然オープニングは“ドドドドドン”という景気の良いティンパニに乗って「鋼鉄の男…

この台詞は・・独立愚連隊? ワンピース/デッドエンドの冒険

ワンピースの最新劇場版がロケットスタートを切って、東映の興行記録を塗り替える勢いだとか。記念して単独長編第一作(通算4作目)を。 「ONE PIECE ワンピース The Movie デッドエンドの冒険」 (2003年/宇田鋼之助監督) 前作「エピソード・オブ・チョ…

ナンデスカコレハ?(その2) どろろ

特に原作の大ファンというわけではありません。漫画の記憶は彼岸の彼方。モノクロ・アニメの点景がかろうじて脳内残留している程度です。なので、どろろがオトナの女という“映画的嘘”はアリだと思いますし(原作にもどろろ=少女を匂わす描写はあったような…

私的名台詞ベストテン上位。 灰とダイヤモンド

『何故いつもサングラスを?』 『報われぬ祖国への忠誠の証として…』 破れて尚残る意志。私的名台詞上位。 「灰とダイヤモンド」(1957年/アンジェイ・ワイダ監督) 亡命ポーランド政府壊滅を狙ったソ連の謀略という噂もあるワルシャワ蜂起。 自国内にあっ…

個性×個性=混沌。 ゲッタウェイ(1972年版)

囚人とすれ違いざまにタッチするストップ・モーションに被るタイトル。私的“タイトルの出方がかっちょいい映画ベストテン”をやったら上位入賞確実の1本です。 「ゲッタウェイ」(1972年/サム・ペキンパー監督) スティーブ・マックイーン、サム・ペキンパー…

緑色の憎い奴・・。 インクレディブル・ハルク

アメコミは守備範囲ではないのですが(アン・リー版も未見)、エドワード・ノートンが出ているので観てみました。この人やっぱり巧いです。「インクレディブル・ハルク」(2008年/ルイ・レテリエ監督)事の発端は皆知ってるでしょ、とばかりにクレジット内…

アングラだ!アングラだ! 狼の紋章

監督名伏せられたら「寺山修二?」と思うかもしれません(褒めすぎか?)。前衛の拾い物。「狼の紋章」(1973年/松本正志監督)不良の巣窟「博徳学園」に転校してきた謎の少年(実は狼族の末裔)、犬神明(志垣太郎)。志垣太郎で引いてはいけません(笑…

DVDを出せ、今すぐ出せ! ローリング・サンダー

待てど暮らせどDVDが・・以下略(「マニトウ」の頁参照→2009年12月4日)。 タランティーノが版権押さえているという噂がありますが、事実だとしたらぶっとばしモンです。 「ローリング・サンダー」(1977年/ジョン・フリン監督) ベトナム捕虜収容所から…

ナンデスカコレハ? 感染列島

表題と被りますが訊かずにはおれません。ナンデスカコレハ?「感染列島」(2008年/瀬々敬久監督)被害は全国、カメラはいずみ野市立病院。規模とエピソードがビタ一文リンクしておりません。国の対応を何故描かん?封じ込めとか言ってるのに封鎖線突破者(…

安い!酷い!下品! フィースト2/怪物復活

なんと言うか・・・人でなしな映画になったなあ。 「フィースト2/怪物復活」 (2008年/ジョン・ギャラガー監督) 前作は、“篭城モノ”という伝統的な箱の中で「ディープ・ブルー」を完コピしつつ、従来ホラーのお約束を巧みに破っていくという、斬新さがあ…

最早美術工芸品。 エンフィールド№2Mk1ポリスEHW

「中折れ式」リボルバー欲しい願望が、「天空の城ラピュタ」で再燃してしまいました。 動機がアニメってのが情けない気はいたしますが・・。「エンフィールドNo.2Mk1ポリスExcellent Heavy Weight」(マルシン)ムスカが持っていた奴ですね。エア(ガス)ガ…

素材は万全なのに調理が・・。 ユニバーサル・ソルジャー

昨日からの流れでヴァン・ダムものを一発。 「ユニバーサル・ソルジャー」 (1992年/ローランド・エメリッヒ監督) ベトナム戦争で気の触れた軍曹(ドルフ・ラングレン)が自分の部隊を掃討。非戦闘員も皆殺し。除隊を間近に控えた部下(ヴァン・ダム)と刺…

せ、切なすぎる…。 その男、ヴァン・ダム

『彼がジョン・ウーを有名にしたんだ。彼がいなければ、今でも香港で鳩を撮ってるだろう』 『フェイス/オフはいい映画だったよ』 『あんたを使ったか? 新作はどうした』 『セガールに盗られた。ポニー・テールを切るそうだ』嗚呼・・。 「その男、ヴァン・…

DVDを出せ!今すぐ出せ! マニトウ

突如、宇宙空間と化した病院の一室。 そこに漂うベッドの上で正座する半裸のお姉ちゃんと400歳のインディアン呪術師が怪光線を飛ばしあう・・・。 小学生の悪夢にも登場しないアホタレなビジュアル。しかも、この特撮やってるのがリチャード・エドランド…

もういい加減このパターンは…。 2012

一体どこから突っ込めばいいのか、しばし呆然五言絶句。 「2012」(2009年/ローランド・エメリッヒ監督) エメリッヒに何かを期待するほど私もウブじゃありませんが、「愛すべき馬鹿映画」程度には仕上がっていて欲しいと思っても罰は当たらないでしょ…

山田康雄に脳内変換。 ダーティハリー

『♪漕げ漕げ漕げよ、もっと漕げよ。らんらんらんらん川下り!』この映画くらい日本語吹替えが刷り込まれてしまった作品も珍しいでしょう。 「ダーティハリー」(1971年/ドン・シーゲル監督) クリント・イーストウッドの声がいつの間にか山田康雄に脳内変換…