フランス映画なのに何故かVシネな香り。
もしくは東映セントラル・フィルムのプログラム・ピクチャーのような。
かつての遊戯シリーズとか、最近だと三池の「荒ぶる魂たち」に近い、多分にピノ・マルチーズの音楽が妙にそれっぽいという単純な理由からだとは思うのですが。
「アラン・ドロン/私刑警察」
(1988年/ジョゼ・ピネイロ監督)
法で裁けない悪人を処刑する(しまくる)私刑警察(字幕だと正義警察)の暗躍と、それを追うアラン・ドロン(大分くたびれていますが、それでも十分かっちよいい)。
ネタとしては71年の「黒い警察」、73年の「ダーティ・ハリー2」、更に83年の「密殺集団」の後なので、新鮮味はありませんが、大きく「右」に舵を切った無茶ぶりが“いい感じ”ではあります。
メリーゴーランドに乗っている時にボーガンで狙撃されたタレコミ屋が銃の引き金に指かけた状態で引きずられたもんだから、周りにいた女・子供が穴だらけ。
裏切り者はバズーカで殲滅、警官相手に公道でマシンガン乱射、、白昼、警察署の食堂で死体逆さ吊りなど、警察内部の腐敗という重いテーマの割には、西部警察的アクションが満載で、そこそこ魅せます。
アラン・ドロンが、圧倒的に不利な状況を一気に逆転させるのもB級映画らしいカタルシスです。