デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「親父、いつもの奴」「セガール定食一丁!」 グリマーマン

チベット仏教のアクセサリーを身に付け、中国語・ロシアを解し、漢方に詳しく、合気道の達人にして元特殊工作員の刑事・・・ご存知スティーヴン・セガール親父の登場です。「グリマーマン」(1996年/ジョン・グレイ監督)日本人の耳には実にお間抜けに響く…

魂のルフラン。 新世紀エヴァンゲリオン/シト新生

『エヴァ・シリーズ・・完成していたの?』破壊されたジオ・フロント上空を旋回するS2機関搭載型エヴァ・シリーズ。呆然と見上げる弐号機搭乗のアスカ。その瞬間かかるのが、「魂のルフラン」(高橋洋子)。映画は勿論、 「新世紀エヴァンゲリオン/シト新…

何故これが圏外? マッドマックス2

ちょっと前に、「最強の続編とは?」というテーマの戯言を書きましたが(2009年9月15日)、いやあ、肝心な奴を落としていました。 「マッドマックス2」 (1981年/ジョージ・ミラー監督) 英エンパイヤ誌選出のベスト続編50でも圏外。あんびりーばぼー。 …

監督と脚本家は一度「社会人」を経験しなさい。 ネコナデ

ビジネスマンの世界をお花畑な想像(いや妄想だな)で表現するとこうなります。という見本。「ネコナデ」(2008年/大森美香監督)社長の特命で、大鉈振るうリストラを断行する人事部長・鬼塚太郎(大杉漣)が、ひょんな事から捨て猫を拾って…というあざとい…

シュレーダー版が観たい! エクソシスト ビギニング

ジョン・フランケンハイマーが撮るはずでしたが、製作準備段階で急死。ポール・シュレーダーが後を継ぎましたが、撮影終了後に解任。三度目の正直でレニー・ハーリンが全編撮り直してようやく完成。「エクソシスト ビギニング」(2004年/レニー・ハーリ…

おお、ブレンダ・・。 バグダッド・カフェ[不完全版]

『あなた達・・仲良すぎよ』ロサンゼルスとラスベガスを結ぶ街道沿い、モハヴェ砂漠のはずれにひっそりと佇むカフェ&モーテル「バグダッド・カフェ」。女主人ブレンダ(CCHパウンダー)は今日もカリカリ。そこに迷い込んだのが、ぽっちゃり熟女のドイツ…

今更ですが。 マトリックス三部作[主としてリローデッド]

(全部想像ですが)このシリーズにとって不幸だったのは、キアヌ・リーブスに格闘技のセンスがびた一文なかった事、ではなく、 1作目「マトリックス」(1999年)から中継ぎ続編「マトリックス リローデッド」(2003年)までの4年間に、 「そうか、この世は仮…

再起動! サラ・コナー クロニクルズ[シーズン2 第1話]

黙示録を歌ったジョニー・キャッシュの"The Man Comes Around"に乗ってT888型ターミネーターがFBIを全滅させたシーズン1最終回。 新しい幕開けは旧約聖書の英雄サムソンと共に始まりました。 「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ」[シー…

追悼、加藤和彦。 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

加藤和彦氏の自殺は曼荼羅畑的にはスルーかな、と思っておりましたが、リン・ミンメイの曲を作っていたとなると無視する訳には参りません。 「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」(1984年/石黒昇・河森正治監督) その昔、就職活動がままならず煮え…

追悼ロバート・ギンティ。 エクスタミネーター

ロバート・ギンティが亡くなっているのを21日発売の映画秘宝で知りました。驚いて検索かけましたが引っかかり無し(ええ?)。英語版wikipediaでようやく確認。9月21日ロサンゼルスで。死因はガンだそうです。享年60歳。詳細はここいらへん参照→http:…

フェリーニ原理主義者だけ。 オーケストラ・リハーサル

『僕も楽器をやっていたから分かるけど』とか、『あれはこれのメタファーで』とか、『監督の意図した暗喩と隠喩は』とか言い垂れて悦に入っている人にとっては珠玉の名作なんだと思います。 「オーケストラ・リハーサル」 (1978年/フェデリコ・フェリーニ…

「絵」だけ。それでもデストピアは甘美。 ハプニング

この監督の持ち味は、ビックリするくらいヒネリがないという“意外性”。今回も健在です。 「ハプニング」(2008年/M・ナイト・シャマラン監督) 原因不明の同時多発自殺症候群発生。細菌テロか?! いや、植物の発する分泌物らしいぞ。市の中心部からやられ…

♪うぉうおぅ、さあ輪になってロシアン・・。 13/ザメッティ

銭湯で輪になった人たちが前の人の背中を流す極楽風呂。タオルをリボルバーに、石鹸を銃弾に持ち替えて後頭部に押し付ければ巨大ロシアン・ルーレットに早変わり。20年前なら、この一発ネタだけで歴史に名を刻んだかもしれません。「13/ザメッティ」(200…

これが本当の“眼力”か。 セント・オブ・ウーマン/夢の香り

『人生? そんなものは無い! あるのは闇だ! 分かるか! 闇だけだ!』見えない眼に力が宿っている・・・凄ぇなパチーノ。 「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(1992年/マーティン・ブレスト監督) 光りを失った偏屈な退役軍人フランク(アル・パチーノ…

リトル・トーキョー恐怖の思ひ出。 ブルーサンダー

その昔、海外視察研修でアメリカに行き、リトル・トーキョーのホテルに泊まった夜のお話。 外で何やら威嚇するような声、続いてパン!パン!という乾いた音。 銃声!?(勘弁してくれよ・・) 日本だとこの後はパトカーのサイレンが響き渡ってニッサン車で徒…

スペースマン再臨! ANOMALY/エース・フレーリー

KISSをクビになったカリスマ・ギタリスト、エース・フレーリーが、LOUD PARK(10月17-18日/幕張)に出演するという。 え?ひとりで!? 元気なのか? ありゃ向こうじゃ新譜まで出しているじゃない・・。 「ANOMALY」(エース・フレーリー)※輸入版 …

スター・チャイルド=超人? 2001年宇宙の旅

本来、全編に渡ってつくはずだったナレーションを「それではマジックが消えてしまう!」というウルトラ自分勝手な理由でキューブリックが丸ごと取っ払っちまったおかげで「難解映画の金字塔」になってしまいました。 「2001年宇宙の旅」 (1968年/スタンリ…

風通しが気持ちいい! 悪魔の棲む家[リメイク版]

実話と言い張ってはいるものの、実態は“利権の絡んだ与太話”ってのが通説なアミティヴィル・ホラー、2度目の映画化(いや実際にはものすげー数映画化されていると思いますが、オリジナルから数えて2度目という意味で)。 「悪魔の棲む家」 (2005年/アンド…

魔法の熊手が宙を舞う! グリズリー

18フィート(5m)の巨大灰色熊という絵に描いたような(実際、ポスターで絵に描いている)誇大広告を「熊手」一本で描ききったベスト・オブ・二番煎じ。 「グリズリー」(1976年/ウィリアム・ガードラー監督) ご存知「ジョーズ」のバッタモンですが、オー…

日本かよ?! ハンニバル・ライジング

うわあ、“ライジング”ってそっちの意味だったのかい!「ハンニバル・ライジング」(2007年/ピーター・ウェーバー監督)流行の“レクター博士ビギニング”です。原点の「羊」が“エド・ゲイン事件”インスパイアなので、幼年期もその線で語るのが筋ではあります…

星新一ワールドに大藪春彦が乱入? デモリションマン

『凄い!レーザー・ディスクみたい!』 近未来にLDが消えてなくなっている事は予見できなかったか。ぬかったなスタローン。 「デモリションマン」 (1993年/マルコ・ブランビア監督) 1996年、壊し屋の異名をとるスパルタン刑事(S・スタローン)は、イ…

フランス人登場。 地獄の黙示録[特別完全版]

ディスカバリー号を軍用ボートに乗り換えた地獄巡りのオデッセイ。 「地獄の黙示録[特別完全版]」(2001年/フランシス・フォード・コッポラ監督) 図らずも2001年の公開だったんですね。 誤訳の女王を世に放った罪な奴ですが、作品そのものに罪はあり…

人生たかが流れ星。 荒ぶる魂たち

『人生たかが流れ星。ギラーっと光って終わりゃそれでええやないですか』 主役が違うとこうも印象が変わるのか・・。 「荒ぶる魂たち」(2002年/三池嵩史監督) 実は以前ご紹介した「実録・安藤昇侠道伝 烈火」(2002年)とほぼ同じ話です。 てっぺん殺(と…

巨根×ヤク中=無敵。 サルバドル/遥かなる日々

『何故、キャパが偉大な写真家か分かるか? 苦しむ人間の気高さを追求したからだ。俺も撮るぞ。キャパのように。いつか』マイケル・マン監督がロバート・キャパの伝記映画を撮るそうです。記念に今回は、キャパの崇高さの真逆にいるフォト・ジャーナリストの…

東京破壊魔人★上原正三。 帰ってきたウルトラマン

先日、会社近くの本屋で「持ち歩き読書」を頑なに拒絶する漬物石のような本発見。 「はうあ、こ、これは“上原正三シナリオ選集”!」 1,000本を越える作品から50本を選り抜いて5,460円(高くない!)。 沖縄人・上原氏と言えば“マイノリティの怨念”と“東京破…

基地外祭りまさかのリメイク! ザ・クレイジーズ(の予告編)

ジョージ・A・ロメロの“ゾンビ前夜祭”「ザ・クレイジーズ」がまさかのリメイク!その予告編が公開されました。「The Crazies(の予告編)」(2010年/ブレック・アイズナー監督)一見した印象は「ドーン・オブ・ザ・デッドと何が違うんだ?」ロメロの「…

馬鹿だなあ・・。 ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発

『来たねえギララ。でもできればバランかバラゴンに来てほしかった』←みうらじゅんの劇中台詞。馬鹿だなあ・・。 「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」(2008年/河崎実監督) 間違っても人に薦められる代物ではありません(以下、褒めているように聴こ…

悩ましき3D。 装甲騎兵ボトムズ/ペールゼン・ファイルズ

“あの日”に続く赤い肩の伝説。「装甲騎兵ボトムズ/ペールゼン・ファイルズ[劇場版]」(2009年/高橋良輔監督)位置としてはOVA「野望のルーツ」とTVシリーズ第1話の中間になります。レッド・ショルダーの創設者、ヨラン・ペールゼンの極秘ファ…

沖田総司が鳥羽・伏見で蜂の巣? 新選組(1969年版)

Vシネオールスターズ版「実録 新選組」を観た勢いで、本家オールスターズ版も。 「新選組」(1969年/沢島忠監督) 近藤:三船敏郎、土方:小林桂樹、沖田:北大路欣也、芹沢:三国連太郎、伊東:田村高廣という豪華キャスト。ロケもセットもモブも使いたい…

まんまとメディアに…。 20世紀少年[原作コミック]

『芸術は爆発だ。演出はハッタリだ』(うる星やつら第117話「旅の雪だるま情話」より面堂のつぶやき)これだけハッタリの規模が大きくなると、どこをどう突っ込んでいいのか分かりません(笑)まあ、広げたい放題広げた風呂敷をまがりなりにも畳んだ(丸めた…