銭湯で輪になった人たちが前の人の背中を流す極楽風呂。
タオルをリボルバーに、石鹸を銃弾に持ち替えて後頭部に押し付ければ巨大ロシアン・ルーレットに早変わり。
20年前なら、この一発ネタだけで歴史に名を刻んだかもしれません。
「13/ザメッティ」(2005年/ゲラ・バブルアニ監督)
監督のゲラさんはグルジア出身。モノクロのグルジア映画(製作はフランスとの合作)というだけである種の凄みが上塗りされています。
グルジア移民のセバスチャンは22歳で人生テンパリどん詰まり。
ひょんな事から“そこに行けば大金が手に入る”という天国行き招待状を手にしたセバスチャンは一攫千金を夢見てパリへ。
しかし、待っていたのは大金飛び交う集団ロシアン・ルーレットの地下賭博場。
問答無用で拳銃握らされたセバスチャンはゼッケン13番のプレイヤーとして輪の中に。
最初は1発だった弾丸が2発、そして3発(ここで生存確率2分の1)。
ロシアン・ルーレットなので、ゲームのシーンはそこそこの緊張感。
ただ、パリに向かうまでの30分がタルい(1回挫折した)。オチも紋切り型で意外性ゼロ。
警察のシーンは丸々いらない。前半もっとタイトにまとめて、ラストをもうちっと余韻のある表現にして1時間で収めれば傑作になったと思います。