“♪うぉうおう、さあ輪になってロシアン”という1発ネタだけが勝負の「13/ザメッティ」を監督自らセルフ・リメイク。
「ロシアン・ルーレット」(2010年/ゲラ・バブルアニ監督)
金に困った青年が一晩で大金が稼げる仕事があると聞いて来て見れば、そこは集団ロシアン・ルーレットの賭博場(詳細は2009年10月19日のレビューを御参照ください)。
原題はまんま「13」。脚本もほぼ手直し無し。
カラー化して、見覚えのある俳優をあちこちに散りばめて、アメリカ人に観易くしただけの、芸の無い(しかし、ハリウッド・リメイクとしては全く以って正しい)焼き直しです。
刑務所から強制参加のパトリック(ミッキー・ローク)だけは今回のオリジナル。
ミッキー・ロークをゲスト出演させるために無理矢理押し込んだとしか思えないエピですが、単調な展開に僅かながら起伏をもたらし、かつ“和む”という美味しい役です。
他にもジェイソン・ステイサム、デヴィッド・ザヤスといった“チーム消耗品”を投入。
主役だけはスターにしてしまうとリアリティに欠けるので、まだ馴染みの薄いサム・ライリーを起用(三白眼が素敵な好青年)。
試合のMC兼レフェリーを「ランナウェイズ」でキム・フォーリーを演じたマイケル・シャノンがエキセントリックに大熱演。
この人のおかげで単調な試合が緊張感アゲアゲの見せ場になっています(対決モードの時は眉間がムズムズします)。
普通はまずオリジナル観てからリメイク観賞という順番になりますが、話も出来もほぼ一緒なので、どっちか1本ならスター大量投入のリメイク版をお薦めします(アングラ・アート系がお好きな方はオリジナルをどうぞ)。
★ご参考