2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「分かるよ。俺もあの時、折ってもらえなかった…」格闘経験ゼロの役者と、演技0点の格闘家。悩ましい選択ですが、本作に限っては後者で正解。「餓狼伝」(1995年/佐々木正人監督)昨日ご紹介した夢枕獏のライフワーク(のひとつ)「餓狼伝」冒頭部の映画化…
---------------------------------「やらせてください。誰でもいいんです。おれは、おれの覚えた技を、おもいきり誰かに使ってみたいんですよ。川辺さんならわかってくれるでしょう。おれたちがリングでやっているあれは……」ここにもひとり、己の肉体を駆使…
“サム・ライミ製作総指揮”・・この得意満面な肩書きに騙されてはいけません。関わりは諸説あって、ちょっとお金を出してあげた“おこづかい説”から、たまたま現場に居合わせたライミが「お、映画撮影か、頑張れよ」と激励しただけという“通りすがり説”まで様…
最近のゾンビ映画って、諸行無常の寂寞感をスパイスにしつつ、最後には男気によって愛の証を立てる変則形に移行している気がします(除くアメリカンゾンビ)。駄目男が最後の最後に究極の愛の形を見せる「香港ゾンビ」、生き残る事よりも恋人の復讐を選んだ…
ニッカンスポーツ.COMなどが「あなたの好きな高倉健映画は?」というアンケートを実施しました(最近、こんなネタばっかだな…)。栄えある1位は「幸福の黄色いハンカチ」。以下、「鉄道員(ぽっぽや)」「網走番外地シリーズ」「南極物語」「野性の証明…
俺はエルヴィス・プレスリー。キングと呼ばれた男だ。 死んだはずだって? あれはソックリさんだ。入れ替わったのさ、何もかも嫌になって。 今じゃこのド田舎の老人ホームでまったり暮らす腰の悪い老人だ。目下の悩みは腫れ上がった股間。もう何年も勃ってな…
困った時のやっつけ企画「他人のランキングにイチャモンつけてネタにしちゃうぞ」シリーズ。エンタメサイトStarpulseが、続編の三作目が成功した映画、失敗だった映画のTOP5を発表しました(「パラノーマル・アクティビティ3」の公開に引っ掛けた企画みたい…
『原発ジプシーや。あの原発のお人夫さんたち。毎年定検受けんと動かへんのよ、あの原発は』 『定検?』 『定期検査。そのために臨時雇いの人夫さんが大勢集まってくるんよ』『発電所は医者は入りませんで。仲間が傷口をタワシでこすってくれました』 『タワ…
「おっぱいバレー」×「余命1ヶ月の花嫁」で「ワイルド7」・・。 なあ、プロデューサーさん(阿部秀司←「K-20」「曲がれ!スプーン」「ヤマト」)はちゃんと原作読んだのか。 これで三池監督が「撮りたい!」と言っていた作品群(「座頭市」「デビルマ…
日本コカ・コーラが「秋の夜長に観たい名作映画ランキング」を発表しました(コカ・コーラ ファミリーパークでのアンケート集計)。上から順番にタイトルのみ記すと、「ローマの休日」「風と共に去りぬ」「ハリー・ポッター・シリーズ」「タイタニック」「と…
まずは上の写真群をご覧あれ。この数枚の写真から本作の物語を紡ぐ事のできる人がいるでしょうか。いません。アンドレイ・ホドロフスキーその人を除いては。 「ホーリー・マウンテン」 (1973年/アンドレイ・ホドロフスキー監督) 十字架上で石打たれ目覚め…
『花形、貴様早まったか! 花形、死ぬぞ、もうやめろ、死ぬぞ。やめろ、やめるんだ、医者を呼べ、医者を。花形が死ぬ、死んでしまうぞ!』 私的号泣アニメ不動の第一位です。 「巨人の星/第83話・傷だらけのホームイン」 (1969年10月25日放送) 巨大な鉄球…
念願叶ってのゴジラ演出ですが、本当にこれで良かったのかい、金子監督?「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001年/金子修介監督)相方の怪獣はあの3体で良かったの?当初想定はアンギラスとバランだったそうですが、スター怪獣に改変したの…
以前、トミーの子連れ狼で“生首目線”という素敵なカットをご紹介しましたが、勝新の発想はそんな常識レベルではありませんでした。 まさかの“ち●こ目線”。これは勝新版「ミクロの決死圏」だ。 「御用牙」(1972年/三隅研次監督) 勝新の役回りは“剃刀半蔵”…
『地獄で報いを受けるがいい!』『残念だな。その程度の想像力しかないとは』ええと、その台詞、そっくりそのままノシつけて…。 「ヘルレイザー3[Blu-ray版]」(1992年/アンソニー・ヒコックス監督) 前作まではイギリス映画でしたが、本作からアメリカ…
『真面目で、おとなしくて、イタチのようなオドオドした目をしていて、いつも孤独で、つまり、何て言うかな、つまり…』ある青年を事件の犯人と目した牧(岸田森)が、その理由を説明しようとするのですが、うまくいきません。こんな光景を以前にも…。『あま…
♪AREA ONEの角を曲がれば、お袋のいた店があった。・・俺には高すぎた鉄のフェンス柳ジョージさんがお亡くなりになりました。10月12日。持病の糖尿病の悪化から。63歳。ザ・ゴールデン・カップス加入(1970年)に始まり、ソロも含め芸歴は長いですが、やはり…
「嫌だなぁ。また疎開か」1954年という時代を切り取った見事な台詞です。本棚の奥から「GODZILLA King of Monsters」のビデオテープ発掘。あーら懐かしいわね、と久々再見・・いやあ、酷い(笑)。何の活躍もしない傍観者のデブ外人(レイモンド・バー)シー…
『これは2千万ドルかけた壮大な失敗作さ。僕は自殺を考えている』「地獄の黙示録」Blu-ray BOX最大の目玉です。 「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」(1991年/エレノア・コッポラ他監督) コッポラの妻エレノアが記録した狂気のフィリピン撮影…
ゆっくりと聞こえてくるヘリコプターのローター音。画面はまだ黒味。 やがて風に揺れるジャングルがフェイド・イン。その前を行き交う禍々しいヘリの機影。 瞬時に焼き払われるジャングルとドアーズの「ジ・エンド」。 完璧です。私的オープニングベストの1…
レンタル落ちの中古ビデオテープという“色褪せた地獄”から一気に極彩色のBlu-rayへ。しかも、True HD5.1ch。長生きはするものです。「ヘルレイザー2」(1988年/トニー・ランデル監督)お話に関しては、2009年5月30日のレビューを御参照ください。雰囲気重…
犬の交尾を見て欲情し、友人の妹を押し倒す・・・こんな人でなしな絵柄がサマになるのは日本広しと言えど、松方弘樹しかいないでしょう。 この人、同じ年に「県警対組織暴力」で後世に残る名シーン「どう!どう!」もやっていますからね。女の扱いに関しては…
「トゥルー・ライズ」がどうしても好きになれない最大の理由は「コメディとして中途半端」(お笑いとアクションがバラバラ)だから。 その点、本作はド派手なアクションが全てコメディ(しかもラブ・コメ)として機能しています。 さらに、主演はキャメロン&…
主演が「白い巨塔」の田宮二郎と「非情のライセンス」の天知茂、ヒロインが女賭博師シリーズの江波杏子で、監督が「必殺シリーズ」の田中徳三。 どんだけハードボイルドなんだよ!と勝手な期待を膨らませたら、出てきたのは関西弁が雑踏の隙間を泳ぐようにす…
“わが父、園音己に捧ぐ”“難病モノ”という手垢のついた商業主義的ジャンルでありながら、極めて私的な、そして現実遊離した“関係性のファンタジー”。「ちゃんと伝える」(2009年/園子温監督)厳格だった父が癌で入院。父との関係性を修復するために日々…
サイボーグ009がフル3Dの長編アニメになるそうです。タイトルは、「009 RE:CYBORG」(2012年/神山健治監督)10月4日の最新作発表イベント会場にて発表され、約4分間の先行フッテージが公開されました。やはり気になるのはキャラ造型。フッテ…
ちょいと前にテキサス・パターソンを購入しました(勿論モデルガンですよ)。コルト社の歴史を開いたパーカッション・リボルバー。 トリガー・カバーが無いだけでなく、トリガー自身も隠れているという独特のフォルムが“古美術”の雰囲気を醸し出しています。…
初期3本がまさかのBlu-ray BOX化(万歳!)。 しかし、特典は“バタリアンズ(山口雄大監督×井口昇監督)による音声コメンタリー”のみ。 「舐めとんかコラ!」な仕様ではありますが、“コアなファンはいても市場の存在は微妙”な作品を商品化してくれた事を素…
人間、ここまで華麗かつあっさりと常識をフライングされ続けると感覚が麻痺して、「お、俺は今何を観ているんだ?」という疑問すら消えて蓮の花咲く無我の境地へ幽体離脱。さあ、あなたも王の羽に抱かれて不思議時空へ。「片腕ドラゴン」(1972年/ジミー・…
顔は知っている。一応名前も。でも友達じゃない男二人。この気まずい「間」と言うか「距離感」、あるいは空気の「密度」をすくって並べてかき混ぜて・・。 「リアリズムの宿」(2003年/山下敦弘監督) 自主映画の脚本家・坪井(長塚圭史)と監督・木下(山…