デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

偶然、しかし最強。地獄の黙示録Blu-ray(の音声解説)

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ゆっくりと聞こえてくるヘリコプターのローター音。画面はまだ黒味。

やがて風に揺れるジャングルがフェイド・イン。その前を行き交う禍々しいヘリの機影。

瞬時に焼き払われるジャングルとドアーズの「ジ・エンド」。

完璧です。私的オープニングベストの1本。これが偶然の産物だったとは…。

地獄の黙示録Blu-ray版]」

(1979年/フランシス・フォード・コッポラ監督)


画質・音響完璧(何じゃ、この臨場感)。

DVDではバラ売り・セット売りだった劇場公開版(70mm版)と特別完全版を同時収録(但し、コッポラの意向でクレジット部分は無し)。

更にハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(後日レビューします)と5時間半を超える特典映像を収録した3枚組みBlu-ray BOX。

ウルトラお買い得です。ダメ押しで本編にはコッポラの音声解説が。

最強のオープニングが、実は編集室に偶然立ち寄ったコッポラが、廃棄予定のジャンク・フィルムから砂埃舞うジャングルの絵を偶然見つけ、「ここにドアーズの曲を使ったらどうか」とその場で思いつき・・という偶然づくしの産物だった事を告白。

ジム・モリスンはカリフォルニア大学LA校映画学科のご学友です。

印象的なシンセサイザー富田勲の「Snowflakes Are Dancing」(ドビュッシーの「月の光」。74年に米RCAより発売。ビルボード・クラシカル・チャート第1位を記録)に強くインスパイアされている(オファーも出した)という日本人にはちょっと嬉しい話も。

唯一の不満は字幕が“あの人”な事(と8ヶ国語に対応しているくせに英語字幕がない事)でしょうか。

「これが我々のやり方だった。機銃を浴びせて手当てする」とかは「機関銃をお見舞いしておいて、バンドエイド(←絆創膏でもいい)を与える」という本来の言い回しに近い訳にして欲しいと思います。

あと「地獄だ」はないだろ。ここは直訳で「恐怖・・恐怖だ」でいいんじゃないか。

ホント、この人の字幕は上っ面で、深みが無くて、誤訳(以下自粛)。

※参考:「先生、いくら何でもこの字幕は。
     ギャラクシー・クエスト→2008年10月17日
    「フランス人登場。地獄の黙示録[特別完全版]」
     →2009年10月10日

    「地味だ、地味過ぎる。真・地獄の黙示録
     →2011年3月14日