デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

コルトとコルトと唾ぺっぺ。 アウトロー

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ちょいと前にテキサス・パターソンを購入しました(勿論モデルガンですよ)。コルト社の歴史を開いたパーカッション・リボルバー

トリガー・カバーが無いだけでなく、トリガー自身も隠れているという独特のフォルムが“古美術”の雰囲気を醸し出しています。

テキサス・パターソンが登場する映画を観たいと思いましたが、何せ世に出たのが1845年頃。テキサス・レンジャーズ対インド軍とか、メキシコ戦争とかが舞台でないとなかなかお目にかかれません。

しかし、パターソンの後継である「M1847ウォーカー」「M1848ドラグーン」、そして「M1860アーミー」辺りになると博覧会のように登場する映画が存在します。それが、

 

アウトロー

(1976年/クリント・イーストウッド監督)


(昨日からの流れで「ヘルレイザー2」を期待した方、御免なさい)

南北戦争末期、北軍についた無法者集団“赤足”に妻と息子を惨殺された男、ジョージーウェールズクリント・イーストウッド)。

復讐の鬼となって南軍に参加しますが、あっという間に敗戦。が、ひとり投降を拒絶し、討手に追われる一匹狼のアウトローに。

ここまでは滅っ茶ハードボイルド(降伏した仲間は合衆国に忠誠を誓わされた挙句銃殺というマカロニ節)。

この勢いで行くのかと思いきや、事態はこちらの予想を大きく外れて明後日の方向に舵を切り始めます。

孤独の孤の字を背中に刻んだはずなのに、いつの間にか老いたチェロキーが、ナバホの娘が、犬が、カンザスの頑固婆さんとその孫娘が、彼と行動を共にする事に。

家族の再生、復讐、埋められぬ喪失感。

そう、これは西部劇の姿を借りたロード・ムービー。

全身にコルトを纏い“たったひとりの軍隊”と謳われたアウトローの生き様。殺伐としていてもイーストウッドの眼差しは暖かい。

ただね、君、唾吐きすぎよ。

人の上着!死体に!サソリに!犬にも! しかも噛み煙草でもやっているのか、色が黒くて汚い(おまけに量も多い)。

ソンドラ・ロック(頑固婆の孫娘)はこのワイルドな所に惚れたのか?

※参考:「熟女も少女も人目惚れ! ペイルライダー」
     →2010年5月12日

    「パーカッション・リボルバーの誘惑。
     ニューモデルアーミー」→2011年1月9日