デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

犬で欲情、豚で自殺、飯で… 暴動島根刑務所

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犬の交尾を見て欲情し、友人の妹を押し倒す・・・こんな人でなしな絵柄がサマになるのは日本広しと言えど、松方弘樹しかいないでしょう。

この人、同じ年に「県警対組織暴力」で後世に残る名シーン「どう!どう!」もやっていますからね。女の扱いに関しては鬼畜です(笑)。

「暴動島根刑務所」(1975年/中島貞夫監督)

時は戦後の混乱期。愚連隊・沢本(松方)は兄貴分切り刻んで工事現場に埋めますが、埋め方が足りずにあっさり露見。

『(ナレーションという名の独り言)もっと深こう埋めときゃよかった・・

判決は懲役9年。送られた先は島根刑務所。看守長は佐藤慶。看守たちに囲まれて自己啓発セミナーのような威嚇恫喝罵詈雑言を浴びせられた松方は一気にブルー。

こんなとこ、9年もおられんぞ・・


と言いつつ、所内を〆ている陰険な牢名主・金子信雄を速攻で撲殺。3年追加

使役中に看守の服奪い、裸足でチャリンコ漕いで脱獄・・したものの川で溺れている子供を助け表彰された事から身元がバレてリターン・トゥ・島根。

本作最大の見せ場(?)は、囚人・田中邦衛マッハ自殺

無期懲役囚の田中にとって唯一の楽しみは豚の飼育。それを所長(伊吹吾郎)に取り上げられた瞬間、躊躇無く窓ガラスぶち破ってアイ・キャン・フライ。

これに端を発した綱紀粛正(まぁ単なる飯抜きの刑ですが)が、囚人のハングリー精神(意味が違うな)に火をつけ、暴動へ。

「メッシよこせ! メッシよこせ!」
 素晴らしいシュプレヒコールです。


所長は松方ストッパーとして囚人・川村(北大路欣也)を起用しますが、結局、体制に利用された挙句に二人揃って網走へ。

当然、黙って移送されるはずもなく、“手錠のままの脱獄”となりますが、ここで更なる見せ場。

手錠の鎖を切るために、列車の鉄橋下に線路を挟んでぶら下がるシーン。本当にぶら下がってます(よく撮影許可下りたな・・まさかゲリラ?)。

自由を勝ち取るのは大変です。