蛍のよう舞う赤い光点がすぅっと左胸に集中する・・このシーンだけでこの映画は“買い”です。
「逃亡者」(1990年/マイケル・チミノ監督)
ワイラーの「必死の逃亡者」のリメイクですが、恥ずかしながらオリジナル未見。
愛人である弁護士の協力で脱獄に成功した凶悪犯ミッキー・ローク。手ごろな民家に押し入って愛人と待ち合わせ・・後は手に手をとって逃避行…のはずでしたが…。
話だけ見るとなんちゅー事無いサスペンス映画ですが、映像がチミノ。
山、渓谷、崖、そんな背景描写がどこをとってもチミノ節。
特に、デヴィッド・モース(まだ無名)が川の中で蜂の巣になる直前に見渡す景色の美しさったら。
押し入った家の主人がハンニバル・レクターでブレイク直前のアンソニー・ホプキンス。
で、その娘が・・げ、こいつ「ソウ」のアマンダじゃん。血は争えないねえ。
監督は頂点から奈落の底、主演もこの後頂点から奈落の底。ブレイク前の役者多数。
見所の多い映画です(笑)。
※参考:「嗚呼、ミッキー・ローク。死にゆく者への祈り」→2010年6月14日