ビデオのジャケに踊っている惹句が凄い。
『全米失禁』。…劇場、地獄絵図だな。
「殺人狂 THE GUNS & THEKILLERS」
(1997年/マイク・メンデス監督)
マイク・メンデスは「メガ・スパイダー」撮った人ですが、こんな狂った映画も作っていたんですね(脚本もデイヴ・ラーセンと共同執筆)。
両親をショットガンで蜂の巣にしたオデッサ&カイルのジェームス兄弟が脱獄。裁判で不利な証言をした叔父に150回ナイフを突き立てて殺害。そのまま近くの平和な家庭に乱入。
不運一番星なご家庭はライアン家。絵に描いたような“妻が退屈と感じる夫”と、“この退屈から逃れたいと思っている妻”、そして“冒険を待ち望んでいる娘(二人)”。
ここまではミッキー・ローク版「逃亡者」を思わせるサスペンス(但しやや冗長)。
ライアン家を州警察が取り囲んだあたりから、話が妙な方向に面舵一杯。
殺人兄弟がご家族人質にして逃亡していたらいつの間にか別の話になっていた、と言えば「フロム・ダスク・ティル・ドーン」ですが、こちらは「逃亡者」だと思っていたら、いつの間にか「壁の中に誰かがいる」+「キャッスル・フリーク」になっていた…って感じ。
まだまだ探せばあるもんですねぇ、こういう気のふれた映画。
空間演出がまるで出来ていないという難点はありますが、色んな所に喧嘩売ってる感じが好感度うなぎ登り。
ジャケによると「ビデオ化に際し、全米公開時にカットされた過激シーンを追加し、更に違うラストでリリース」したそうですが、元のラストを知らないので何がどう変わったのやら(笑)。
全バージョン織り込んだDVD発売してください。ポニー・キャニオンさん。
★ご参考