デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

作戦なんか無い! エクスペンダブルズ

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『もうそんなに素早くないぞ』
『光より遅いだけだ』

次の瞬間、電光石火のSAAファニング(※写真上段2枚)。

OK過ぎる掴みですが、カット割とカメラワークが悪すぎ。

ここに限らず全編に渡って「光量不足」「カット割り過ぎ」「アップ多用」(つまり誰と誰が何をしているのかさっぱり分からない)。

ボーン・シリーズの悪しき潮流が折角の80年代アクションをぶち壊しています。

「エクスペンダブルズ」

(2010年/シルベスター・スタローン監督)


ハゲを気にするジェイソン・ステイサム、チビを気にするジェット・リー、ハーレーに乗って登場し、女と長続きしない事を嘆くミッキー・ローク、薬物中毒なドルフ・ラングレン、そしてシュワに「ジャングルが好きだろ?」とからかわれるスタローン。

配役と設定だけでお腹一杯、ではあります。

この手の映画でストーリーがどうのと言うのは野暮にして無粋なのは十分承知しておりますが、もちっと何とかならなかったのかスタローン。

傭兵の行動原理は義ではないので、本来なら高難度ミッションがあればそれで良いのですが、最終的に敵地に赴く動機は金でもプロとしての矜持でもないので、敵味方関係の整理を明確にしてくれないと感情移入ができません。

この辺り、呆れ返るくらい単純明快な「コマンドー」を見習ってほしいですね。

画的には、桟橋に集結したアーミーを空中から機銃掃射する“死の飛行”シーンが最高。

ここだけは「ランボー 最後の戦場」に拮抗しています。先頭銃座に陣取ったステイサムのハゲ頭舐め急降下カットは本作の白眉です(※写真下)。

夢のBIG3競演はCG合成の嫌疑濃厚ですが、それでも熱いものがこみ上げてきます。

続編、誰が出るんでしょうねえ(ヴァン・ダムは内定? チャック・ノリス希望)。

また大味な展開になるのでしょうが、出来れば次回は「ワイルド・ギース」な味付けもして欲しいと思います。

ドルフ・ラングレンの役名ガンナー・ヤンセンはレザー・フェイス役者ガンナー・ハンセンを想起させるのですが、関係ないですよね。