デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

運命は悪意に満ちている。 ジョニー・ハンサム

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生まれつき顔面奇形(一種のエレファントマン)の男が、整形手術によって色男に大変身。

この設定が、後に神の邪心を疑わずにはいられないくらい皮肉なものになろうとは、誰も思わなかったでしょうねえ・・。

 

「ジョニー・ハンサム」 

(1989年/ウォルター・ヒル監督)


その醜さ故ジョニー・ハンサムとあだ名されるジョー(ミッキー・ローク)。

仲間と共に古美術商に押し入るも、新参者(ランス・ヘンリクセン&エレン・バーキン)に裏切られ投獄。

更に刑務所内にも刺客を放たれ、気が付けば病院のベッドの上。

『新しい顔が欲しくないか?』

犯罪者の公正を支援する外科医(フォレスト・ウィッテカー)の誘いに頷くジョニー。

新しい顔と履歴を手に入れ仮釈放されたジョニーは復讐を開始。

一気にミッキー・ロークにならず、顎、鼻と整形を重ね、発声訓練で正しい発音を身につけ・・という丁寧な段取りは好感が持てます。持てますが、話の本筋から言えば回り道。

さあ、ようやっと復讐だ、という段になってもなかなかエンジンがかかりません。

安い恋愛絡ませ、意味の無いヤマを踏み・・。正直な感想を言わせて頂ければ「んな周りくでぇ事ぁどーでもいいからとっとと復讐しちまえよ!」です。

わざわざ危険なヤマ踏む必要ないですし(ヤマ自体がひとつの罠にでもなっていれば話は別ですが)、来るなと言っているのにノコノコやってきて人質になる女とか、激しくどうでもいいです。

金(と拳銃)の入ったバッグをヘンリクセンがロークに開けさせるかどうかなんで博打以外の何者でもないですし、主人公に都合のいい偶然に頼りすぎ。

これならまだ「ハーレーダビッドソンマルボロマン」の方が・・(以下略)。

※参考:「エンゼル・ハート」→2009年2月10日
    「ハーレーダビッドソンマルボロマン」
     →2009年6月17日
    「レスラー」→2010年5月13日
    「死にゆく者への祈り」→2010年6月14日
    「逃亡者」→2010年7月18日