うわあ、“ライジング”ってそっちの意味だったのかい!
「ハンニバル・ライジング」(2007年/ピーター・ウェーバー監督)
流行の“レクター博士ビギニング”です。
原点の「羊」が“エド・ゲイン事件”インスパイアなので、幼年期もその線で語るのが筋ではありますが、そうするたレクターが知性の無いただのアホタレになってします。
で、本作は1944年のリトアニア戦線という意表を突いた「ふりだし」からスタート。
ハンニバルは目の前で父ちゃん蜂の巣、母ちゃん爆死の挙句に逃亡兵に幼い妹ミーシャを殺された(喰われた)トラウマで失語症に。
フランスに逃れた彼を支えたのは叔母のレディ・ムラサキ(コン・リー41歳超好み)。
コン・リーだから中国人設定かと思いきや、広島で家族を失い、武士の血筋を継ぐウルトラステレオタイプの日本人。
彼女に剣の手ほどきを受けみるみる上達するハンニバル。うわぁ、やっちまったなぁ、な展開ですが、コン・リーが美人だから許します。
結局、戦後ものうのうと生き残っている“妹喰った逃亡兵”たちに復讐していくのですが、正攻法過ぎて不満です。
これではハンニバルに感情移入出来ちゃうじゃないですか。もっと理不尽な暴れ方をして欲しかったと思います。
コン・リー始め、青年ハンニバルを演じたギャスパー・ウリエルなど芸達者な面々が出ているので、単なる復讐モノと思えば十分合格なのですが・・・。