(全部想像ですが)このシリーズにとって不幸だったのは、キアヌ・リーブスに格闘技のセンスがびた一文なかった事、ではなく、
1作目「マトリックス」(1999年)から中継ぎ続編「マトリックス リローデッド」(2003年)までの4年間に、
「そうか、この世は仮想世界だったんだ! 俺こそネオだ! ようし、マトリックスを破壊して自由になるぞぉ!!」
と本気で考えてかつ実行に移したアホタレが世界中にわんさか出現してしまった事ではないでしょうか。
もし続編を、“救世主がコンピュータ壊して人類救った、めでたしめでたし”ってな展開にしてしまったら、更にネオ人口が増加して面倒な事になったかもしれません。
あっちこっちに配慮した結果、ネオは救世主ではなく、マトリックスを正常に機能させるためにプログラムされたアノマリーという、「なんじゃそりゃそりゃ」なオチになってしまいました(くどいようですが全部想像です)。
「リローデッド」に関して言えば、テーマ以外にも
- ネオとトリニティ、セックスし過ぎ(覚えたての中学生かよ!)。
- 100人スミスの時のCGが酷すぎ(プレステ2以下)。
- ザイオンのレイブシーンが稚拙すぎ(しかも無駄に長い!)。
- モニカ・ベルッチもうちょっと綺麗に撮ってやれよ。
- 話が全く進展していない(モーフィアスの三角関係とかどうでもいいよ!)
など文句山積み。特に致命的なのが、
- ネオの技が全て軽すぎ(あれで何故壁まで飛ぶ?)
ここまで説得力の無い打撃技アクションシーンはちょっと記憶にありません。
後出しジャンケンではありますが、「リベリオン」のガン=カタ観てしまうと、キアヌのヘッポコピーなアクションなぞ最早お笑いでしかありません。
「リローデッド」唯一の見所はハイウェイ爆走シーン。ここだけは何度も観る価値があります。
で、最終作「レボリューション」。副題は、“キャプテン・ミフネの乱れ撃ち無頼帳/地獄が俺を呼んでるぜ”。オチは“メカ・ナウシカ”(「ポカーン」)。
やはり、1作目で止めておくべきだったのではないかと思います。