『ノウマク・サンマンダバザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!』
不動明王の真言も邪神には届きませんでした…。
「カルト」(2013年/白石晃士監督)
女優(あびる優、岩佐真悠子、入来茉里)が実名で登場して心霊現象をレポートする、というフェイク・ドキュメンタリー・ホラーな建て付けに目新しさはありません。
が、序破急を織り込んだ脚本と登場人物のキャラ立ちの良さで実に“いい感じ”に仕上がっています。
謎の心霊現象に悩まされる一家(母娘)宅に赴き、霊能者と共に除霊に立ち合い、その一部始終をレポートする事になった3女優。
怖い、行きたくない、でもお仕事お仕事、と真言(?)を唱えつつ着いた家にはシャレにならない“何か”が棲みついておりました。
💛素敵ポイント① 霊能者が次長→課長→CEO
最初の霊能者は雲水。濃いぃ顔をしていますが霊能力は薄かったらしく、敢え無く予選敗退。
続いて登場したのが雲水の師匠・龍玄。いかにも修験僧!な感じの子弟コンビ(メリン神父とカラス神父の日本版)で第2ラウンドに臨みますが、見事返り討ち。
うわ~師匠使えね~。
で、龍玄の依頼(遺言とも言う)を受けてやって来た第3の霊能者(真打登場!)がどこから見てもホストのお兄さん。
自称ネオ。今更「マトリックス」かよ!なズレ方が堪りません。
演じているのは「仮面ライダーオーズ/OOO」のアンク、三浦涼介。
『あの…テレビに出てません?』『出てねえよ!』
💛素敵ポイント② 背後に組織的暗躍が…。
心霊現象と言うと大抵は死んだ人の恨みだったり怨念だったり、それらの複数重ね焼きだったりするのですが、この家の心霊現象は仕組まれたもの。
背後には狂信的カルト集団が…。
💛素敵ポイント③ 神様はニャルラトホテプ?
このカルト集団は自らの神を現世に召喚しようとしているのですが、何となく造形がニャルラトホテプに似ているような…。
相手が邪神となるとちょっと手ごわいぞ、ネオ。
💛素敵ポイント④ やり逃げ振り逃げ俺たたエンド。
絶対続編なんか作る気無いのに「俺たたエンド」で〆。清々しいまでの逃げっぷり。
でも、ちょっと観てみたいですね、続編。
※本日7月4日は本作主演女優・あびる優さんのお誕生日です(おめでとうございます!)。
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★(邪神繋がりで)本日7月4日はクトゥルフ神話体系構築の立役者、オーガスト・ダーレス(1909-1971)の命日です。
オーガスト・ダーレスと言えば、
「ニャル子かよ!」という罵声が聞こえてきそうだな…。