ポルターガイストは“騒々しい幽霊”と訳されるだけあって、力業の物理攻撃が実に映画的で絵になる怪奇現象です。
必然的に鎮める側も悪魔祓い的剛腕を駆使することになるので、エンタメ感もUP。
それだけだと安っぽくなってしまうので、ここに家族愛と夫婦愛を散りばめて「ホラーじゃないよ、ドラマだよ」感も醸成。
全方位気配り体制。
「死霊館 エンフィールド事件」
(2016年/ジェームズ・ワン監督)
冒頭いきなり「悪魔の棲む家(アミティヴィル・ホラー)」。メジャーな事件をアバンで消費。大盤振る舞いです。
しかもここでの降霊術中に尼僧姿の悪魔と遭遇、同時に夫が死ぬ予知夢まで。
前振り&掴みはOK。
メインとなる事件はタイトルにある通りエンフィールド事件。
1977年8月から英国ミドルセックス州のエンフィールドで起きたポルターガイスト現象。
調査員による数か月間の記録だけで1500回の怪現象を記録、期間も2年2か月(1980年の再発含まず)に渡る長期かつ大量のポルターガイスト現象です。
災厄に見舞われたのは旦那の浮気が原因で離婚し、子供4人を女手ひとつで育てねばならなくなったのに養育費が3ヵ月も滞納しているホジソン一家(実名はハーパー一家)。
怪異の中心にいる(霊に魅入られた)のは二女ジャネット。
演技のお手本はリーガン先生?
舞台が英国に映った途端、♪London Calling! 一瞬映るロンドンの街並み。後方の映画館では「エクソシスト2(EXORCIST II: THE HERETIC/1977)」を上映中。
この手のお話だと、怪異が子供の周辺でのみ起こり、なかなか大人に信じてもらえないという展開になりがちですが、ここの霊はサービス精神が旺盛で出し惜しみがありません。
親は勿論、警察がいる場面でも景気よく椅子やタンスを動かしてくれます。
警察があっさり「警察の仕事ではありません」と逃げ帰るのが笑えます。
バトンは警察から教会へ。教会は証拠無しには動けないので、調査員としてウォーレン夫妻を英国に派遣。
霊の正体をミスリードしつつラスボス、悪魔ヴァラクへ。
エロ無し、グロ無し、流血無し(ロレイン・ウォーレンが鼻血出すシーンはある)、コケ脅し控え目。
CGに頼らない特撮で心霊現象を表現しているのは◎。
天井に張り付くジャネットと特撮ネタバレ。
半面、“へそ曲がり男”とかのキャラは興冷めでした(フルCGかと思ったらクリーチャー専門の役者さんが演じておりました)。
へそ曲がり男と演じたハビエル・ボテット(「MAMA」のママもこの人)。
で、最後は家族愛と夫婦愛で〆。
デートに良し、ファミリーに良し、安心安全人畜無害なエンタメホラーです(☜遠回しに「刺さらねー!」と言っています)。
★ご参考