オカルティックな現象を科学的なアプローチで説明しようとしたんだけど、選んだ素材が悪くて関係者全員大火傷。
「テスター・ルーム」
(2014年/ジョン・ポーグ監督)
70年代半ばの英国。オックスフォード大学で異常心理学を教えているジョセフ・コープランド教授はひとつの仮説(と言う名の妄執)にとり憑かれておりました。
それは、『人が生み出すネガティヴな感情エネルギーでポルターガイストは引き起こされる』というもの。
この確信的思い込みを証明するため、精神を病んだ少女ジェーン(オリヴィア・クック)を実験台に検証記録をとり始めるのですが…。
これってただの降霊術なのでは?
教授が選んだ3人の助手の内、映像記録係の青年ブライアンの視点でお話は進行します。
彼が撮影した16mmフィルムが度々挿入されますが、それ一辺倒にはせず、普通の映画としての映像をメインにしているのでPOV特有の不快さは少なめです。
超常現象はジェーンのヒステリーが誘発しているのか?(論理的な説明ができるのか?) ジェーンだけに見える少女イーヴィの正体は?
って辺りが見所なのですが、超常現象の存在そのものを与件として認めている段階で、それが精神の為せる技だろうが、オカルトに起因することだろうが、ぶっちゃけどうでもいい、という気はいたします。
冒頭に『INSPIRED BY ACTUAL EVENT』と表示され、TSUTAYAのジャケにも“驚愕の実話”なんてキャッチが踊っていますが、“INSPIRED”ですから。「東スポの記事読んでたら閃いちゃってさぁ」ってのも含まれます。
だったら、中途半端なドキュメントもどきに徹しないで、途中からエンタメ側に振り切っても良かったのではないかと思います(正直、退屈)。
その意味で「ラスト・エクソシズム」は実に良く出来た作品でした。
本作、2014年公開(米英)ですが、製作は2012年。2年間寝かされていたようです。DVD発売元のカルチャー・パブリッシャーズのHPに本作のデータ無し。TSUTAYAの独占レンタルのようですが、こちらのサイトにも碌なデータ無し。
何か、扱い酷くないすか。