
ミイラとフランケンシュタインの異種格闘技戦。つい「プレスリーVSミイラ男」のようなぶっ飛びかっ飛び男泣きな映画を想像してしまいましたが、とんだ一杯喰わせモノ企画でした。
「マミーvsフランケンシュタイン」(2015年/デイミアン・レオーネ監督)
エジプトからアメリカの大学に持ち込まれたミイラと、その大学で継ぎ剥ぎ死体の再生に心血注ぐ教授が作り上げたモンスターが運命の出会い…なのですが。
ミイラ男とフランケンの話がバラッバラで接点がないものだから、両者が出逢うワクワク感がまるでありません。
登場人物全員キャラが立っていないのですが、特に死体蘇生にうつつを抜かしている教授ヴィクター(最後にファミリーネームが種明かしのように語られますが、んなものヴィクターと言われた時点で分かるだろ)が酷い。
死体蘇生の研究者は目に知性と狂気を湛えていなくてはなりません。「悪魔のはらわた」のウド・キア然り、「死霊のしたたり」のジェフリー・コムズ然り。

なのにこのヴィクターときたら半笑いの間抜け顔で知性も狂気も彼岸の彼方。まずウド・キアとジェフリー・コムズに五体投地して謝れ。話はそれからだ。

フランケンシュタインの怪物に必要な悲哀も皆無。食い詰めた大学用務員のオッサン脳みそが入っているので言動が品性下劣。

あと、ミイラは何か超常現象のひとつも起こせ。やっと出逢ったと思ったら延々ドツキ合いかよ。
これなら「宇宙からのツタンカーメン」の方がよっぽど芸達者だったぞ。
おまけ

喉切り裂かれてミイラに血を与える不幸な研究者は「E.T.」でマイケル演ってたロバート・マクノートン。香ばしいおっさんになりました。
★ご参考