理想のパーツを継ぎ接ぎして理想の男女を作り、さらにそれを交配させて理想の人類を作り、その頂点に君臨する野望に憑かれたフランケンシュタイン男爵(ウド・キア)の数奇な運命。
現在発売されているDVDは原題通り「フレッシュ・フォー・フランケンシュタイン」になっていますが認めません!
「ブラッド・フォー・ドラキュラ」との相関から言っても、このタイトルが本来なのは分かっていますが、本作の邦題は誰が何と言っても、
「悪魔のはらわた」(1973年/ポール・モリセイ監督)
です(ついでに「ブラッド・フォー・ドラキュラ」の邦題は「処女の生血」以外不許可です)。
ご存知、アンディ・ウォーホル監修のモンド・セレクションPart1(単なる名義貸しとも言われていますが)。
まるで人工着色したかのような古めかしいカラー映像が“ここではないどこか”を演出していて実に“いい感じ”ですが、本作のキモは、兎にも角にもウド・キアです。
やや冗長な展開も彼のエキセントリックなキャラと演技で全部チャラ。
胸から腹にかけて大きく開かれた女の体内に手を突っ込み、臓物をまさぐりながら、恍惚の表情を浮かべ、あろうことか、その裂け目にチ●コ差し込んで内臓ファ●ク。
この世のものとは思えない耽美…あいや、狂った光景です。
翌年の「処女の生血」における“吐き芸”も凄まじかったですが、本作の内臓フェチの前には影が薄いと言わざるを得ません。
しかし、僅か2年でフランケンシュタインとドラキュラを演じた俳優なんて他にいるでしょうか?
本作の前が「残酷!女刑罰史」、本作の後が「O嬢の物語」「サスペリア」「ジキル博士と女たち/暴行魔ハイド」、90年代の「ブレイド」(また吸血鬼だ!)を挟んで、最近だとリメイク版「ハロウィン」、「サスペリア・テルザ」「世界の終り」(また臓物引きずり出している!)…。
もう、エロ・グロ・モンド・カルト一直線。
画面の隅にちょいと映っているだけで妙に嬉しい、変態オーラ満開の役者です。
★ご参考