『…するの? するんでしょ?』
『何を?』
『するんでしょ!? 私が泣いてもわめいても構わず、自分の欲望のままにするんでしょ!? 学校にも行けないぐらい一晩中!』
初めての共同作業の新しい形(チガウ)。
恒例《第1話くらいは観てみよう》。新年1発目はこちら。
「クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。/第1話・大嫌いな女子と結婚した。」(2025年1月3日TOKYO MX放送/黒田幸生演出)
主人公は北条才人、高校3年生。世界的ハイテク企業《北条グループ》を束ねる北条天竜の孫。
学年成績は常にトップ。原作/コミカライズによれば教科書は1回読めば暗記できるので勉強の必要がないという、ある種の天才。
そして、常に才人の後塵を拝し、万年学年2位に甘んじているのが桜森朱音。高校入学から才人と同じクラスなのに一向に距離が縮まる気配無く、目が合えば当たり屋のように絡んで来る「喋らなければ美少女」。
今日も才人の学級日誌の書き方が悪いとイチャモン三昧。黒板もきちんと消してないし、連絡事項も書いてないし…
『欠席者の欄に《魑魅魍魎》って書いてあるのは何なの!?』
ここ、コミカライズ版にはなかったのでアニオリかしらと思ったら原作(小説版)にはしっかりありました。
因みに海外配信版に付けられた魑魅魍魎の英語字幕は「EVIL SPIRITS」。う~ん、今ひとつ雰囲気が伝わって来ません。
DEEPL先生に翻訳して貰ったら「Evil spirits of rivers and mountains」と出ました。
辞書で魑魅魍魎を引くと「人に害を与える化け物の総称。また、私欲のために悪巧みをする者のたとえ。《魑魅》は山林の気から生じる山の化け物。《魍魎》は山川の気から生じる水の化け物」。
なるほど、正に「Evil spirits of rivers and mountains」ですね(納得)。
そんな「いつもの」やりとりで疲弊しつくした帰り道、爺ちゃん北条天竜からお茶のお誘い(恫喝とも言う)。
断る間もなく黒塗りリムジン横づけ。中から面堂家にいそうな黒メガネ部隊がぞろりと現れエスコート。
当主の無理難題を詫びる運転手。
『なんだかんだで当主様は才人さんを溺愛なされてるんですよ。お父様とは違って』
この台詞は微妙に不親切。これだと「天竜は才人を溺愛しているが、父はそうではない(才人と父の関係がうまくいっていない)」とも取れちゃいます。
原作の台詞は
『これでも才人さんは溺愛されてるんですからね、お父様とは違って』
これなら天竜は息子は見限っているが、孫には期待している、と読めます。
なんでこういうやらんでいい改変をしちゃうんでしょうねえ。
リムジンが止まったのは閑静な料亭のようなところ。そして何故かそこで桜森朱音と鉢合わせ。
『なんであんたがここにいるのよ!?』
桜森はお婆ちゃんに呼ばれてここに。そこに張本人二人が仲良くスポーツカーでご登場。
爺ちゃん婆ちゃんが二人を呼びつけた「大事な用」とは…。
爺ちゃん婆ちゃんは若い時相思相愛…だったのにすれ違いやら家の都合やらで結ばれず。時は流れて互いに選んだ異なる伴侶はどちらも鬼籍。ならばと仕切り直して恋愛再開、happy晩年。悔いがあるとすれば、もし最初から結ばれていたら、というIFルート。
『自分たちの果たせなかった想いを孫で成就させたい』
かつてこれほど自分勝手な言い分(しかも強制)があったでしょうか。しかし、才人と朱音には各々この申し出を断れない理由がありました。
才人は北条グループを手中に収める必要があり、朱音は…。
何を耳打ちされたんだ朱音?
回答期限の3日後、二人が出した答えは
『『結婚します』』
どうせ入籍は大学卒業後、まだ時間はあると踏んでいた才人ですが、限りある人生の年寄り舐めちゃいけません。
新居新築済み、家具購入済み、各々の家から荷物搬入済み、ついでに婚姻届け提出済み。
八方塞がり…ってかあんたら最初から二人の回答聞く気なかったろ。
なし崩し新婚生活突入。
ベッドは小ぶりなダブル。床・ソファ使用禁止。枕は両面YES。同衾マスト。
夫婦の生活に避けては通れない日常的イベントはどうする?
そして入籍・同居の事実を学校でどう隠す。
何故か「営み」に関してやたらセンシティブな朱音の耳年増具合が微笑ましい。
波乱万丈な同居生活が始まりました。
デレ無しツン200%女子というのは感情移入がしづらいものですが、要所要所がいい感じにデフォルメされているので、小動物的可愛さが強調されて視聴のハードルをぐいっと押し下げています。
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