「フランケンシュタインの花嫁」を起源とする“死んだ恋人を蘇生させるあの手この手”というプロットは「死霊のしたたり2」「デッドリー・フレンド」(変化球で「ペット・セメタリー」)など先駆者多数。
何を今更、な題材ではありますが、この人にかかるとハイパー変態映画に換骨奪胎。
「フランケンフッカー」
(1990年/フランク・ヘネンロッター監督)
主人公は、日々よからぬ実験に精を出す自称・生物電気工学医師ジェフリー・フランケン君(ジェームズ・ロリンズ)。
ある日、可愛い恋人が芝刈り機に巻き込まれて全身バラバラに(かろうじて首だけは確保)。
残りのパーツをどうしよう? こういう時はドリルで能を直接刺激して・・(キュイィーン)、ひらめいた! 買ってくればいいんだ。
貯金おろしたジェフリー君は良さげなパーツを持った娼婦をまとめ買いして身体検査。欲しい部位にマーキング。
後は手作り特性ドラッグ、スーパークラックで安楽死してもらって…。
しかし、このドラッグには“爆発”という物凄い副作用が…。
ドラッグ・パーティの最中、娼婦たちは次々爆発四散。部屋は血のシャワー。床は狂った人体ジグソーパズル。
拾い集めたパーツを黒ビニール袋に押し込んで帰宅。特性血清を接着剤のように塗って電気溶接(お前、本当に医学部にいたのか?)して準備完了。雷の電気ショックで見事蘇生!
・・したまでは良かったのですが娼婦(フッカー)の肉体継ぎ接いだ恋人は生前の記憶を失って人造娼婦“フランケンフッカー”に!
早速街に繰り出して客引き。しかし、雷で帯電した彼女を抱くと客はスポンティニアス・コンバッションでフューリー&スキャナーズ!
爆発と同時にイッて、生首だけで「凄く良かったよ」と微笑むおっさん、ナイスです。
ここまででも十分狂っていますが、ミスター・バスケットケースの悪趣味はこんな事では終わりません。
血清液の中に保管しておいた娼婦たちの“未使用パーツ”が、適当に融合。
この世のものとは思えない奇怪なクリーチャーとなって大暴れ。
「死霊のしたたり2」にも指と眼が融合したクリーチャーが出てきますが、あんなもんじゃありません。お子様が見たらトラウマ必至。ちゃんと女性っぽく作っているのがまた気色悪い。
ところでジェフリー・フランケンという役名、フランケンは言わずもがなですが、ジェフリーは「死霊のしたたり」でハーバード・ウェストを演じたジェフリー・コムズからとったのでしょうか。
したたりシリーズ、本作、「バタリアン・リターズ」、ついでにバスケット・ケースと立て続けに観ると日常の悩みがちょっと軽くなるかもしれません。
※参考:「バタリアン・リターンズ」→2008年5月26日
「垂らす、くっつく、甦る! 死霊のしたたり2」
→2010年6月29日
「お兄ちゃんは鉄の爪。 バスケット・ケース」
→2010年7月6日