デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

腐女子よ観ろ!そして引け! クルージング

イメージ 1

タランティーノも「デスプルーフ」で使ったウィリー・デビルの「It’s So Easy」

イントロが流れた瞬間、パチーノの顔がフラッシュバック。さすがサントラ番長、いつもながらナイス選曲です。元ネタは勿論、

「クルージング」(1979年/ウィリアム・フリードキン監督)

ニューヨーク・アンダーグラウンドで起きたハードゲイ連続刺殺事件。

被害者に共通する特徴から“犯人の好みの顔”を類推、最も近い風貌の警察官スティーブ(アル・パチーノ)が潜入調査をする事に・・。

やおい腐女子が騒ぐボーイズ・ラブとは一味違うマッチョなハードゲイの世界をパチーノと共にクルージング。

もうムンムンです。警官コスプレ専門バーに犇くゲイの群れにしばし唖然。

フリードキンは街を描かせると巧いですね。猥雑な雑踏であれ、風光明媚な観光地であれ、人が暮らしている空間を切り取らせると、ちゃんとそこに生活がある。

お話と常に程よい距離を保っていて、情に訴える演出をしないのも好感が持てます。

死体は単なるモノ。淡々とした殺人、仕事としてこなす捜査。犯人にも体制にも肩入れしない作風は正にハードボイルド(ただ単に地味とも言えますが)。

音楽監督ジャック・ニッチェの選曲の良さが光ります。サントラ欲しい。

Time Outニューヨーク版選出「映画史上最も物議を醸した映画50本(The 50 most controversial movies ever)」第13位。