デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ショッカーの秘密基地かよ?! 武器人間

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細かい文句はあります。第二次世界大戦中の記録フィルムという体で音だけはフィルムリールが回っているのに画はデジカメとか、手ブレが激しすぎる(カメラ回しているのは国立映像学院出の人間という設定なんだから、もっと上手く撮れよ)、とか。

しかし、作り手の関心はそんな所にはなかったようで…。

自慢の改造人間を並べて魅せる、この1点のみが作り手のモチベーションだったのではないでしょうか。

なので、こちらもその志に合った見方をします。

「武器人間」(2013年/リチャード・ラーフォースト監督)

ソ連軍の偵察隊7名に同行する記録係が回すフィルムというPOV。

行く先々で蛮行を繰り広げるソ連軍。うーん、最低。

飼育されている兎を「おお、晩飯だ!」と鷲掴んで、フルスイングで棚に叩きつけ頭カチ割るシーンは動物愛護協会の人が見たら失神するのではないでしょうか。

途中、救助を求める同胞の無線をキャッチして、指定された場所に向かう一向。しかし、目的地の建物に人の気配は無く…。

そこはフランケンシュタイン博士死体と機械を合体させた改造人間を量産しているナチス秘密ファクトリー…と言うか“ショッカーの秘密基地”

鉱道のように入り組んだ地下施設でわらわらと溢れ出る改造人間軍団(原題はFRANKENSTEIN'S ARMY)。

手が蟹バサミ、手がチェンソー、口がドリル、顔がプロペラ、頭が(食虫植物のような)鉄バサミ…近接戦闘における殺傷能力はダントツですが、動き遅く、防御能力低く…。

 

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完全に出オチ(笑) 

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フランケンシュタイン博士の動機(目的)はキ●ガイの戯言だし、改造(死体蘇生含む)に関する技術的な説明も描写も一切無し。ひたすら怪人博覧会。

 

手作り感満載な怪人デザインは秀逸。きちんと金属感が出ている所が個人的には高評価。

 

今、日本でこれをやろうとすると、間違いなく西村喜廣の出番になると思うのですが、この人の特殊造形はウレタンチックと言うか、本来金属の質感が出ていなければならないものも全てフニャフニャな表層になってしまうのであまり好きになれません。

 

さて、何人が生きてこの地獄絵図から脱出できるでしょう。

 

にしても、ヴェルディのレクイエムと大山のぶ代の悪魔コラボによる予告編はメガトン級の破壊力だったな(ある意味、本編以上かも)



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