『俺たちは同じ物語を語り続ける。違う名前と違う顔で』
(We’re still telling the same stories we’ve always told, just with different names, different faces)
終わりなき物語を紡ぐ。親会社(ワーナーブラザーズ)の命令で。
色々メタ。あれこれ駄目。袋小路な後日談。
「マトリックス レザレクションズ」(2021年/ラナ・ウォシャウスキー監督)
もうすっかりトリロジーが彼岸の彼方で、話を繋げるのに苦労しました。
取り合えず、ネオもトリニティも生きて(生かされて)いました。
マトリックスの中で。
ネオはゲームメーカーのデザイナー、トーマス・A・アンダーソンとして。
トリロジーの記憶は彼が作ったゲーム「マトリックス」3部作に置き換えられて。
トリニティは夫と子供に囲まれた主婦ティファニーとして。
ちょっと「リング」「らせん」→「ループ」を思わせる設定です。
トリロジーという映像資産をこれでもか!と二次活用してメタ構造を浮き彫りにしていく前半は結構スリリング。
でも中盤以降は「ええっと君ら、今何しようとしてるんだっけ?」な置いてきぼり感満開。
キアヌのアクションも1作目(1999年)の時点で「ぬっるいなぁ」だったのに22年後にキレなどあろうはずもなく。
バレットタイムで銃弾避けるのも面倒になったようで、まさかのATフィ―ルド展開。ゲンドウかよ!?
1作目のテーマがネオの覚醒だったの対し、今回のテーマはトリニティの覚醒。
『ティファニーなんて呼ばないで。その名前は嫌い。私の名前はトリニティ。その手を放しなさい!』
(I wish you would fucking stop calling me that. I hate that name. My name is Trinity and you better take your hands off of me. )
おお、これって「Phantom~Requiem for the Phantom~」の
『アインなんて呼ばないで。私はエレン。そう望まれ、そう生きる』
と同じ構文ですね。
1作目の『My Name is NEO!』と対をなす「相手の呼びかけを否定して名乗る」パターン。
≪名乗りこそドラマ≫は、ここでも健在でした。
まあ正直がっかりぐったりばったりぽっくりな出来ではありましたが、同窓会的映像特典くらいに割り切って観ればそこそこ楽しめるんじゃないかと思います。
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★本日9月22日はポール・ムニ(1895~1967)の誕生日。
代表作は勿論これ。
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