デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

おお、ブレンダ・・。 バグダッド・カフェ[不完全版]

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『あなた達・・仲良すぎよ』

ロサンゼルスとラスベガスを結ぶ街道沿い、モハヴェ砂漠のはずれにひっそりと佇むカフェ&モーテル「バグダッド・カフェ」。

女主人ブレンダ(CCHパウンダー)は今日もカリカリ。

そこに迷い込んだのが、ぽっちゃり熟女のドイツ人ジャスミン(マリアンネ・ゼーケブレヒト)。砂埃の中、ハイヒール&徒歩でやって来た外国人・・・怪しい。

バグダッド・カフェ
(1987年/パーシー・アドロン監督)


DVDはタイトルがBAGDAD CAFEになっているもの(現在発売中のトールケース)と、「OUT OF ROSENHEIM」になっているもの(以前発売されていたジュエルケース)がありますが、観る(買う)時は、後者をお薦めします。

画像がやや荒れているのですが、逆に砂漠の砂埃感にマッチしていて癒しの誉れを上塗りしています。画質が良ければいいってもんじゃありません。

編集も若干異なっていて、「OUT OF ROSENHEIM」の方がタイトにまとまっていると思います。

ハリウッド(の方)からやって来たという謎の絵描き(ジャック・パランス)もいい味出していますが、私のイチオシはブレンダの夫サル(G・スモーキー・キャンベル)。

イラついてばかりいるブレンダにキレて、『もうたくさんだ、出て行ってやる!』と啖呵かまして家を出ますが、小高い丘の上から双眼鏡で女房の様子を眺めては、

『おお、ブレンダ💛』


とか言ってる憎めない奴です。

ほぼ全編分かりやすいメタファーで埋め尽くされているので、ちょっと視点を変えれば何度でも楽しめます(こういう盛り付けは全然気にならないのに、何故「オーケストラ・リハーサル」は駄目だったんだろう?)。

冒頭の台詞は、古参住人の一人である刺青師のお姉ちゃん(クリスティーネ・カウフマン)が「バグダッド・カフェ」を去る時の一言。なんか沁みます。

 

★ご参考