《もう結果だけ教えろ!》
何と力強い、何と開き直ったキャッチコピー。
これからソフトを買ってもらおうと言うお客様に対して「途中経過は観る価値無し」と高らかに宣言しています。
そんな作品をレビューしなければならないこっちの身にもなってくれ(笑)。
「エイリアンVSジョーズ」(2020年/マーク・ポロニア監督)
現時点最低映画暫定1位「フランケンジョーズ(いつの間にかタイトルが原題の「シャーケンシュタイン」に変わっていやがった!)」のマーク・ポロニア監督作。
原題は「SHARK ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND」。宇宙人とサメの第三種接近遭遇を描いた壮大なSFです。
舞台は南カリフォルニアのオセアナ港。
何が目的で地球にやって来たのか良く分からないエイリアン二人組(悔しい事に造形は良い感じ)が、サメをマインド・コントロールして人間を襲わせますが、サメも黙って操られてはいねぇぜ…というエイリアンとサメと人間の三つ巴バトルロワイアル。
この👆エイリアンたち、ちょくちょく人間をアブダクトしていたようで、「俺ぁ宇宙人にさらわれただ」という人たちの治療をするセラピスト姉ちゃんが主人公。
プラスあと3日で仕事辞める水上警察官と近くに沈んでいる(と噂されている)Uボートを見つけてお宝を頂こうと言うトレジャーハンターが人間側の主な登場人物。並べてみると面白くなりそうな気がしてくるかもしれませんが気のせいです。
兎に角、この監督さん、「時間経過」という概念がないので編集が滅茶苦茶。
ダイバーがサメに襲われるシーンの後、夜間にサメに襲われる別のダイバーの描写挟んで、最初のダイバーの仲間が「もう潜ってから1時間経つ」って、いやひとつ前のシーン夜だったじゃん。一昼夜経ってるだろ。
セラピストのお姉さんが自宅で何か飲み物を飲んでいるシーン(19分経過時)の後にセラピーのシーンとかカフェでコーヒー飲んでいるシーンとかサメの襲撃シーンとか宇宙人の侵略シーンとか挟んで再び最初の自宅で飲み物シーン(52分経過時)へ。
え、まだこのシーンだったの? じゃ今までの描写は何? 回想?
セラピー姉ちゃんがカフェでコーヒー飲むシーンなんか狭い店内なのに姉ちゃんとウェイターが全カットアップで引き画無し(こんなシーンまで別撮りかい!?)。
ウェイターは華奢な男の子で制服長袖なのに、コーヒーを置いた手は毛むくじゃらのおっさん腕。誰の手使ったんだよ。
まあ全体的にこんな感じで真面目に観ていると大混乱。
が、しかし、見どころもあります。
見どころ❶ 円盤のデザインが良い感じ
エイリアンが乗っているUFOが絵になっています。夜の海(絶対昼間にフィルター撮影していると思いますが)に浮かぶUFOとか詩的な佇まい。
以前「私的空飛ぶ円盤BEST5」なんて記事👇を上げましたが、そこに加えてもいいくらいです。
見どころ❷ リアルオタクの部屋
特にお話には絡まない「通りすがりの」セラピー患者の一人の自宅が良い感じのオタク部屋。寝室には「アキラ」「ランド・オブ・ザ・デッド」のポスター、別の部屋は部屋中フィギュアとボドゲ、ビデオ観賞用の部屋には「ゾンビ」「ロボコップ」のポスターが。
これ絶対セットじゃなく誰かの家そのまま使っていますね。
見どころ❸ マグナムより強力な救命信号弾
水上警察官の武器は救命信号弾。一撃でサメもエイリアンも火だるまです。
ボロニア監督の最新作は「シャーキュラ 吸血鮫」(2022)。
わー観たいなー(棒)。
★ゴミサメ映画は汲めども尽きぬ廃棄の泉。一体何本あるのか想像もつきませんが、近年のトップ5を挙げておきます。
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