【これが何に見えるか】エクソシスト・シャーク【映画版ロールシャッハテスト】

決して返って来ることのないブーメランを投げ続ける。

面白いとかつまらないとか分かるとか分からないとか、そういうレベルのお話ではありません。

恐らく外宇宙とチャネリングした監督が、電波の命じるままに撮影・編集をしたのでしょう。

作品そのものが一種の電波なので、アンテナを持っていない凡人に理解できないのは当然の理なのです。

これが何に見えるか。映画版ロールシャッハテストです。

「エクソシスト・シャーク」（2015年／ドナルド・ファーマー監督）

原題は「SHARK EXORCIST」。何故、前後をひっくり返したのか不明。原題ママだと「サメ相手の悪魔祓い」な感じですが、邦題だと「悪魔祓いの出来るサメ」って意味にならないすかね。

因みに旧ソフトタイトルは「デビルシャーク」でした（ロゴがデビルマンと一緒）。

13人の児童を虐待死させたカトリックの修道女リンダ・ブレア（あのね…）が悪魔と取引。

『世界は私を裏切った！私の復讐を味わうがいい！』

一体何が不満なのか皆目見当がつきません（勿論、後になって語られる事もありません）が、兎に角色々不満なリンダは、リンダに詰め寄って来た女（誰？）を刺し殺して海にドボン。

『主なる悪魔よ、生贄を捧げます。我に復讐者を授けよ！』

普通こういう場合は自身に復讐のための能力を授けよ！なんじゃないかと思いますが、リンダさんは自分のかわりに世界に復讐をしてくれる代行者を所望。

で、やってきたのがサメ。

召喚したのはどこぞの海っぽかったですが、サメが現れたのは「めっちゃ普通の湖」パリス・ランディング（いきなり淡水かよ）。

犠牲者が本当にサメに襲われたのか、イタコの口寄せ（？）で確認しようとする超常現象調査官（いや只のyoutuberだろ）ナンシー・チェイス（主役でも何でもありません）。後ろにカメラマンがいるのに誰目線で喋ってんだナンシー。

サメは普通に喰い殺したりもしますが、DVDのジャケ解説だと「次々憑依」している事になっています。

であれば依り代はひとつのはずですが、憑依されたっぽい女が特に何をするでもなくウロウロしている間もサメは呑気に湖をす～いすい。

このサメに弟を喰われた神父の兄（特に兄弟を示す描写無し。死のお知らせは司祭からの手紙によるものですが、サメに襲われたとも湖で死んだとも語られておりません）が何かを決意。

スマホで悪魔の絵画とか眺めているシーンから、どこぞの女（誰？）がチャネリングしてどこぞの女（誰？）がどこぞの墓場（どこ？）で悪魔憑きトランス状態でアウアウいっている様子を幻視して自分もアウアウ言って失神するシーンを挟んで再びスマホを眺めている神父へ。

え、何、今の神父の回想とか幻視だったの？　うんうん頷いてるけど何に納得したの？

で、神父は弟が死んだときに一緒にいた女アリ（サメに襲われた時に悪魔に憑依された…事にしたいのであろう主役のひとり。ただ、アリが弟と一緒にいたなんて事は警察も知らない）の自宅へ（何故分かった!?。サメに襲われたことはメディアが報道しましたが自宅までは分からんだろ）。

神父曰く、アリがサメに襲われたのは３週間前だが、１年前にも同じような事件があった。あれはただの鮫ではない。

ん～待て待て。あのサメは修道女のリンダが召喚したんじゃないのか。１年前から湖に棲息していたのか。

そもそも湖でちまちま犠牲者出すことが「世界に対する復讐」なのか？

神父はアリが悪魔に憑依されていると判断して悪魔祓いを…ってちょっと待て。

悪魔祓いはサメ相手にするんじゃないのか？　人間相手ならただのエクソシストじゃん。何と景気の良いジャケット詐欺。

まあ何となく話が繋がりそうな所を抜き出しているので、「普通の駄目映画じゃん」と思われるかもしれませんが、この合間に「誰だよお前？何でいきなり緑のゲロ吐いてんだよ」な奴らが脈絡なく次々現れては、話を一歩も進めずに消えていくので「えっと今の何？」「さっきの話はどうなった？」「で結局サメは？」の連続で混乱の極み。

終り間際、「そう言えば、冒頭の修道女はどうした？」と思い出したところで再び登場。「いやそのオチおかしくね？」な締めで幕。

と思ったらエンドロールの最中に明らかに脳患いの女が水族館を延々散策して最後にカメラに向かって緑のゲロを吐く駄目押しの意味不明シーンが。

これに比べたら「ウイジャ・シャーク」も「恐竜神父」も一流の映像作品です。