『俺の豚になれ!』
Be my piggy!
悪魔からの熱烈なラブコール。落ちてしまうのかアモルト神父!?
「ヴァチカンのエクソシスト」(2023年/ジュリアン・エイヴァリー監督)
原題は「THE POPE'S EXORCIST」なので、正しくは「教皇のエクソシスト」。「女王陛下の007」と同じ構文ですね。
カトリック教会の総本山であるヴァチカンの教皇に仕え、生涯で数万回(!?)の悪魔祓いを行った実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録『エクソシストは語る』の映画化。
アモルト神父役にラッセル・クロウ。彼のボスである教皇役にフランコ・ネロ(!?)。
アモルト神父の足はランブレッタのスクーター(「BAD CITY」脳内再生)。実はこれラッセル・クロウのアイデア。神父たちがランブレッタに乗ってローマを走っているのを見て触発された…んだそうです。
フロントにフェラーリのエンブレム…のステッカーが貼ってあるのが茶目っ気上塗りですが、これも彼のアイデアだったんでしょうか。
お話の舞台は1987年のスペイン。
夫に先立たれたアメリカ人ジュリアは反抗期ド真ん中の娘エイミーと父の事故死を目撃したショックで口がきけなくなった息子ヘンリーを連れてスペインへ。
着いたのはカリスティーヤのサン・セバスチャン修道院。今は廃墟ですが修繕すれば転売可能。夫の遺品の中から唯一現金化可能な物件の修繕立ち合いに来たのでした。
ところが、ここの地層はガス鉱床(地中からの採掘に耐えうる天然ガス量を包蔵している地層)。引火・爆発して作業員大火傷。こいつはヤベェ!って事で作業員全撤収。
間の悪い事にヘンリーに異常行動発症。ジュリアは「遺産現金化作戦失敗」「娘反抗期」「息子悪魔憑き」という三重苦に。
あれこれあってやって来たのがアモルト神父という訳です。
実はサン・セバスチャン修道院の地下にはヴァチカンが隠蔽し続けてきた黒歴史「スペイン異端審問の真実」が眠っておりました(よく怒られなかったな)。
地下のインテリアかと思いきやクライマックスでひと見せ場作るアイアンメイデン。
さて、悪魔祓いを材に取る以上「エクソシスト」の影響は避けては通れませんが、何とアモルト神父本人は「エクソシスト」がお気に入りだったそうで。
フリードキン監督とも交友があり、監督は2017年に「悪魔とアモルト神父 -現代のエクソシスト-」というドキュメンタリーを撮っています(監督/脚本)。
フリードキンの遺作は死後に公開された「The Caine Mutiny Court-Martial」ですが、これはそのひとつ前の監督作。
知らなかった。そんな作品があったのか。
観てみたい…けどNetflixの配信かぁ。
こちら👇フリードキンとアモルト神父ご本人のツーショット。
時に本作、第44回ゴールデンラズベリー賞に「最低主演男優賞(ラッセル・クロウ)」「最低助演男優賞(フランコ・ネロ)」で仲良くノミネートされています。
今年は本作の他に「最低作品賞」「最低監督賞」「最低脚本賞」「最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞」の5部門で「エクソシスト 信じる者」も。
是非、併せ技で「エクソシスト」イヤーにしてもらいたいものです。
発表は3月9日。栄冠(?)は誰の手に?
★是非セットでご覧いただきたい異母兄弟。
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★本日のTV放送【13:00~NHK BS/プレミアムシネマ】