メキシコに伝わる「泣く女」ラ・ヨローナの伝説~嫉妬のあまり自らの子供二人を川に沈め、その後悔で怨霊化、以来、殺した子供の代わりになる子供を探して彷徨っている~を題材にしたホラー…なのですが…。
「ラ・ヨローナ ~泣く女~」
(2019年/マイケル・チャベス監督)
上手に使えば雰囲気醸成に多大な貢献をしたであろう「メキシコという出自」「1973年(「エクソシスト」公開年)という時代設定」「予兆として聞こえる泣き声」「涙・川に由来する水のファクター」「呪術師による除霊」などの設定が見事なまでに空回り。
主人公(未亡人)が児童相談所のケースワーカーという設定も、ヨローナが子供につけた傷(生贄の予約券みたいなもの)で主人公の虐待が疑われるというウルトラどーでもいい展開しか生まずイライラ募りまくり。
その気になればすぐにでも(子供を)殺せるのに、無駄に寸止めを繰り返すヨローナのサービス精神にもイライラ。
トドメはまさかの物理攻撃だし、そんなんでカタがつくんならとっととやれよ!で最後までイライラの募る出来でした。
予備知識ゼロで観たので、どこかで見た神父さんがどこかで見た人形を抱えている絵面が出て来るまで「死霊館」シリーズのスピンオフとは気づきませんでした。
あーそれでヨローナの顔が「死霊館のシスター」と同じメイクなのか。
こーゆー顔怖がるのって小学校低学年までじゃないかな。
という訳でほとんど観るべき所がなかったので、代わりに緊急企画「悪魔祓い選手権」を。
悪魔祓いモノは最初は「エクソシスト」の直球コピーでしたが、ここから、如何にこれを捻るか、という創意工夫の時代となりました(成功例はごく僅かですが)。
まずは「エクソシスト」公開直後のエピゴーネン(丸パクリとも言う)を2本。
続いて、2010年以降の創意工夫モノを3本。
最後にちょっと飛び道具な1本を。
因みに「ラ・ヨローナ ~泣く女~」の前年(2018年)に「ラ・ヨローナ ~彷徨う女~」というグアテマラ映画が作られています(原題は「LA LLORONA THE WEEPING WOMAN」でまんま「泣く女」)。
ラ・ヨローナをモチーフに、グアテマラの負の歴史を描いた社会派スリラー…らしい(未見)のですが、こっちの方が遥かに面白そうです。
★折角なので本家関連作も少々。