ホラーで人形というともうそれだけでチビチビな怖さがあります。
特に日本は昔から「お菊人形」とか「藁人形」など恐怖文化の一翼を担うアイテムとしてイメージが定着しています。
代表例が、怪奇大作戦の第7話「青い血の女」・・思い出しただけでチビチビです。
海外だと「マジック」「蝋人形の館」「デビルズ・ゾーン」の腹話術人形・蝋人形などでしょうか。
共通しているのは、人形の中に意志や魂、場合によっては人間そのものが封じ込められている、という事。
実にチビチビな題材ですが、ここに1本、全く趣きを異にした人形ホラーがあります。
“湖畔の絞殺魔”の異名を持つ連続殺人鬼チャールズ・リー・レイは刑事に撃たれ重症、あわや逮捕or射殺かと思いきや、履歴書にも書ける得意技「ブードゥーの呪術」で、自らの魂を人気人形「グッド・ガイ・エデイ」の中へ。
この人形を偶然手に入れた母子家庭親子がエライ目に会う、というストーリー。
人形に凶悪殺人鬼の魂・・この取り合わせが実に・・怖くない(笑)。
長時間人形の中に留まると、魂が完全に人形と同化してしまうので、人間の体に再度魂を移さなければなりません。
ところが、誰でもいいって訳ではなくて、人形になって最初に口を利いた人間の体でないと駄目という鬼ルールがあるので、チャールズ(愛称チャッキー)は6歳のアンディをちょこちょこと追い詰めていきます。
終盤の燃やされても撃たれてもしぶとく襲ってくる展開は、ホラーと言うよりは「ウェスト・ワールド」「ターミネーター」に連なるSFモンスター・アクションのフォーマット。
観ている方は“行け行けチャッキー”(笑)。
低予算ホラーの代表格ですが、マンションの窓ぶち破る豪快ダイブや、景気良く家が崩れる大爆破とか、車1台でも迫力は出せるぜ大暴走など、見せ場盛り沢山。
「あれ、こんなに面白かったっけ?」
因みに殺人鬼チャールズ・リー・レイの名前の由来は、チャールズ・マンソン、リー・ハーヴェイ・オズワルド、ジェームス・アール・レイの併せ技。素晴らしすぎるネーミングです(どれもちょっとお間抜けな奴らなのが好感度うなぎ登り)。