デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

それ行けチャッキー! チャイルド・プレイ

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ホラーで人形というともうそれだけでチビチビな怖さがあります。

特に日本は昔から「お菊人形」とか「藁人形」など恐怖文化の一翼を担うアイテムとしてイメージが定着しています。

代表例が、怪奇大作戦の第7話の女」・・思い出しただけでチビチビです。

海外だと「マジック」「蝋人形の館」「デビルズ・ゾーン」の腹話術人形・蝋人形などでしょうか。

共通しているのは、人形の中に意志や魂、場合によっては人間そのものが封じ込められている、という事。

実にチビチビな題材ですが、ここに1本、全く趣きを異にした人形ホラーがあります。

チャイルド・プレイ
(1988年/トム・ホランド監督)


“湖畔の絞殺魔”の異名を持つ連続殺人鬼チャールズ・リー・レイは刑事に撃たれ重症、あわや逮捕or射殺かと思いきや、履歴書にも書ける得意技「ブードゥーの呪術」で、自らの魂を人気人形「グッド・ガイ・エデイ」の中へ。

この人形を偶然手に入れた母子家庭親子がエライ目に会う、というストーリー。

人形に凶悪殺人鬼の魂・・この取り合わせが実に・・怖くない(笑)。

長時間人形の中に留まると、魂が完全に人形と同化してしまうので、人間の体に再度魂を移さなければなりません。

ところが、誰でもいいって訳ではなくて、人形になって最初に口を利いた人間の体でないと駄目という鬼ルールがあるので、チャールズ(愛称チャッキー)は6歳のアンディをちょこちょこと追い詰めていきます。

終盤の燃やされても撃たれてもしぶとく襲ってくる展開は、ホラーと言うよりは「ウェスト・ワールド」「ターミネーター」に連なるSFモンスター・アクションのフォーマット。

観ている方は“行け行けチャッキー”(笑)。

低予算ホラーの代表格ですが、マンションの窓ぶち破る豪快ダイブや、景気良く家が崩れる大爆破とか、車1台でも迫力は出せるぜ大暴走など、見せ場盛り沢山。

「あれ、こんなに面白かったっけ?」


因みに殺人鬼チャールズ・リー・レイの名前の由来は、チャールズ・マンソン、リー・ハーヴェイ・オズワルド、ジェームス・アール・レイの併せ技。素晴らしすぎるネーミングです(どれもちょっとお間抜けな奴らなのが好感度うなぎ登り)。