若者たちが田舎旅行中に酷いメに遭う・・絵に描いたような「サイコ」「悪魔のいけにえ」の亜流です。が、しかし・・。
もし、ノーマン・ベイツがマネキンを自由に操れる超能力者だったら。
もし、レザー・フェイスの被っているマスクが山田邦子だったら。
そりゃあもう怖いなんてもんじゃありません。
「デビルズ・ゾーン」
(1978年/デヴィッド・シュモーラー監督)
車は2台、若者は5人(2ペア+1)。先行する1台のタイヤが空気漏れしたので、男が近所のガソリン・スタンドへ。
ここで起こる第一の惨劇(「サイコ」のシャワーシーン、「いけにえ」のガガラビシャーン!に相当)の嫌ぁな衝撃・・。本作がただのホラーではない事を強烈に印象付けます。
仲間が辿り付いた謎の蝋人形館。館主はマッド・ボンバー、チャック・コナーズ。
彼と狂った弟が同一人物ってのは弟が登場する前から小学生でも分かるので、ここの引っ張りは実に無意味。
なので、中盤は冗長ですが、聖飢魔Ⅱの“♪生きたまま蝋人形の如くぅ、震えて眠れ、明日はもうないぞ~”的な終盤はなかなか。
銃で撃っても死なない男が鉈の一撃で倒れるのは腑に落ちませんが、チャック・コナーズが最後に魅せる大技と記憶に焼きついて離れないラストカットで全て帳消しです。
笑っちゃうくらい金かかってませんが、嫌ぁな気分はマキシマム。費用対効果抜群。
時に美しく、時にへっぽこぴーなピノ・ドナッジオの音楽も素敵です。
※参考:「爆弾魔×鬼警部×強姦魔。マッド・ボンバー」→2008年9月9日