デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

パーキングメーターに紙袋を。 殺人者にラブソングを

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車を降りるや否やパーキングメーターにスーパーの紙袋をズボ!

袋には手書きでOUT OF ORDER(故障中)。これぞ生活の知恵(貧乏は節約の母)。

「殺人者にラブソングを」

(1972年/ロバート・カルプ監督)


家族を失い、生活も破綻し、電話代も払えない喰い詰め探偵ヒッキー&ボッグスビル・コスビー&ロバート・カルプ)。

久しぶりに金になりそうな人探しの仕事が舞い込んだと思ったら、行く先々で死体の山。

ウォルター・ヒルの脚本デビュー作としても知られるハードボイルド・アクションです。

白人と黒人のコンビですが、得物はどちらもマグナム。銃による個性の描き分けとかまるで考えていないのが潔い。

とは言え、全く同じ銃ではなく微妙にフォルムが違います。

白人ボッグスの銃がM29(所謂44マグナム)なのは一目瞭然ですが、黒人ヒッキーの銃がよく分かりません。

ポスター見ると“They hold their forty-four magnums with two hands and…”なんてコピーがあるので、どっちも44って事のようですが、何かバッタ物っぽいと言うか、コルトなのは間違いないようですが・・。

日本の配給会社もそこいらへん自信がなかったのか、ポスターには“ビッグ・コルトが唸り!ベンツがぶっ飛ぶ!”という、ちょっと逃げを打ったキャッチが入っています。

前年には「ダーティハリー」が公開済み。44マグナムはウリになる単語だったはずなのですが・・。

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クライマックスはコルトvsヘリ。


大した出番もないまま殺されていく人が多いので、無駄に飛び交う名前も多く、“ええっとそいつはどちら様でしたっけ?”な混乱が起きるのが難ですが、雰囲気はまずまず。

“ああ、確かに俺らは人生負け組だよ。でも、負け組みにだって意地がある。このまま引き下がる訳にはいかねぇんだよ!”な侠気が静かに漲っています。

ちょい役ですが、ジェームズ・ウッズの姿を拝む事もできます(髪型がちょっと変)。