アレクサンドル・アジャ監督の「ピラニア3D」を観る前に。
「ピラニア」(1978年/ジョー・ダンテ監督)
ジョン・セイルズの脚本が「ジョーズ」エピゴーネンの中で突出していると評判の本作ですが、惨劇の原因作ったのが主人公たちってのが最後まで引っかかります。
破棄されていたとは言え、軍の施設に無断で立ち入り、プール(ピラニアの水槽)の水勝手に抜いて(ピラニアを川に放流して)、制止に入った博士を殴り倒して・・って皆お前らが悪いんじゃん。
博士はピラニアの脅威を延々語っていたくせに、子供助けるために川にドボン!
子供はまだボートに乗っているんだから、君たちの船を近づければ済む話じゃないのか。どう見ても博士、犬死にだろ。
キャンプ地の女先生も、オール持ってるんなら溺れる仲間に差し出して「届かない!」とか言う前に漕げよ。
人間、パニックに陥ると理に適った行動ができなくなるという事でしょうか。
という訳で、私はそんなに(世間の皆様が絶賛する程)セイルズの脚本が良く出来ているとは思いません。
私にとって本作の魅力は、恐らく脚本にはなかったであろうクリーチャーたち。
ピラニア育成施設の中で飼育されている何かのついでかミステイクで生まれてしまったと思しき妙な生き物。
特に水槽に入らず、室内をうろうろしている変な奴(写真上)が凄く気になります。
施設管理人である博士のペットだったのでしょうか。だとしたら博士の死後、彼らはどうしているのでしょうか。
案外、自由に繁殖して楽しくやっているのかもしれません(想像するとちょっと楽しい)。
映るのは主人公たちが施設に侵入する時だけで物語には一切絡まないので、ダンテが遊び心で入れてしまったのではないかと推測します。
★アジャ監督のリメイク版はこちら。